「農民」記事データベース20231016-1573-08

旬の味


 無農薬・無化学肥料栽培で水稲を始めてから17年がたちました。今年は、今まで経験したことのない猛暑日が続き、山水だけで稲を育てている私は、稲刈りまでたどり着けるのか不安でしたが、今年も無事に収穫の秋を迎えることができました▼お米の等級検査をしていると、やはり今年のお米は高温障害による背白、腹白、乳白、割れ等が多くみられ、ほとんどの農家さんが二等米でした▼しかし、猛暑日が続き、水稲も含め、農作物が枯れてしまうなど、収穫ができないというほどの被害も多く出ているなかで、たとえ等級が二等、三等だったとしても、実りには感謝しかないです▼雨の日も多くなり、貴重な晴れ間にまだ稲刈りをしているのですが、10月に入ると晴れた日の稲刈りには、無数のカゲロウが青空に飛んでおり、太陽の光を浴びた羽がキラキラと輝いている景色は、なんとも言えないくらい美しくきれいです。中山間地域で、農薬、化学肥料不使用栽培を続けていくことの意味と、努力が報われる瞬間です。

(聡)

(新聞「農民」2023.10.16付)
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2023年10月

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