旬の味
つい最近、地域の草刈りを集落で行っていたとき、以前よりきつく感じられた。気のせいではなく、参加人数が減り一人当たりの面積が増えた分、時間がかかったのだ▼この話を妻にすると、私たちがIターン(出身地ではない場所へ移住して働くこと)でこの町に移ったときは人口が500人以上いたが、なんと今は400人を割ったというのだ。7年間で割合にして2割が消えたということになる。まさに地方消滅が目の前に現実となって押し寄せて来たのだ▼昨年から私の地域の農業法人は今までやっていた畔草の管理を土地の所有者に任せることになった。すると、今まで法人に任せきりにしていた草刈りをいきなりできるはずもなく、地域の畔は草が伸び放題の荒れ地と化した▼田んぼの中だけはそれでもまだ形の上では作付けしているが、それも時間の問題だろう。私たち地域に住む人間は残されたわずかな時間の中で、地域存続に向けてあらゆる可能性を試し、本気で取り組まなければならないと、強く感じた。 (T)
(新聞「農民」2023.10.9付)
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[2023年10月]
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