獣害対策学習会に30人超
餌付けを止めるが大事
大阪産直センター
獣柵を補強するより
獣の居心地を悪くする
農民連大阪産直センターはこのほど、「雅ねえのほんまに役立つ獣害対策」をテーマに学習会を開催しました。農民連近畿ブロックにも呼びかけて、大阪と奈良の生産者が会場(大阪市)とリモートでつなぎ30人以上参加しました。
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参加者とともに。前列右から2人目が雅ねえ |
講師は、通称「雅ねえ」と農家から親しまれている井上雅央さん。農研機構近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チーム長を経て、退職後、宮崎県、熊本県、広島県、静岡県などで獣害対策アドバイザーとして継続的に活躍。居住地の島根県では住民と一緒に獣害のない地域づくりを実践しています。
井上さんは、「獣被害は『うんこの流れない水洗トイレ』で、システムが機能しなくなってしまうこと。イノシシたちが出没しだしたら、イノシシたちは『ここは安心して食べられる場所』と認識しており、人間が餌付けに成功したことと同じことになる。行政の獣害対策は、どれだけ柵を作ったかなどが基準となっているが、実効策は餌付けをやめることに尽きる」と説明しました。
農家目線の説明聞き入る
さらに「柵の具体的注意点として、収穫後こそ柵に入れない、潜み場をつくらない、柵の開口部をつくらない」などと農家の目線で事例を交えて具体的に説明しました。学習会では雅ねえの書籍が飛ぶように売れました。
参加した生産者は「動物の習性を考えて対処しないといけないと感じた」「まさに餌場を提供しているほ場がたくさんあり、また、獣柵を補強することばかり考えているので、これは改めないとという話になりました」「雅ねえさんのセミナー、いろんな雑談も交えながらとても楽しくあっという間の2時間でした。雑談が面白くて肝心の獣害対策をあんまり覚えてませんが(笑)、獣の居心地を悪くするために家や田畑の周囲を綺麗に刈り払うことが大切だと学びました」などの感想が寄せられました。
(大阪府連ニュースから)
(新聞「農民」2023.10.9付)
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