茨城県第62回母親大会記念講演とシンポ開く
有機農業 地産地消 学校給食いま食料と農業と生命を考える9月2日、水戸市の県民文化センターで第62回茨城県母親大会兼第52回水戸母親大会が開催され、約480人が参加しました。
東大の鈴木宣弘教授が記念講演オープニングにウズベキスタンダンスが披露され、また会場ロビーでは市内の幼稚園や小学生が「給食」を主題に描いた絵画が展示されました。記念講演では、「農と食と命を守るために〜食料・農業危機と打開策〜」をテーマに、 東京大学大学院教授の鈴木宣弘さんが講演しました。 鈴木さんは、日本の農家はいま、生産コストが倍増しているにもかかわらず価格転嫁ができないため、廃業が激増しかねない現状にあることを紹介。「日本の食料自給率は38%とされるが、種や肥料の自給率の低さも考慮すると10%あるかないか。お金を出せば食料が買える時代は終わった。不測の事態に国民の命を守るのが“国防”なら、地域農業を守ることこそが安全保障だ」と述べ、「農業予算にこそ、数兆円規模で農業予算を拡充すべき」と訴えました。
環境負荷の少ない農業を応援したい農民連女性部員がパネリストに続いて、シンポジウム「茨城の食と農を考える――有機農業、地産地消、学校給食など――」では、3人のパネリストが登壇。常陸野農民センター女性部の飯田安江さんは、産直運動との出会い、特栽米やネオニコチノイド系農薬不使用の米や、大豆畑トラスト運動の取り組みなど、長年家族農業を営んできた立場から発言しました。
また、「県がサツマイモ栽培を、補助金を出して奨励した結果、新規栽培が急増し、苗不足や病気の発生などが起きて、サツマイモ農家としては非常に懸念している」と話しました。 JAやさと有機栽培部会長の田中宏昌さんは、第52回日本農業大賞を受賞した有機栽培部会について紹介。97年に3人からスタートし、今では約30軒が石岡市八郷地区で有機栽培に取り組んでいること、研修制度が充実しており、自身を含め所属生産者の約9割が新規就農者であることなどを話しました。
食と農への関心がスゴイ!2つの会場とも満員、 運動交流消費者で新日本婦人の会水戸支部の佐野安希子さんは、「私が産直野菜を買う理由は二つです」と話し、「一つは減農薬で安全安心の農産物を食べたい、二つは環境負荷の少ない農業生産に取り組む農家を応援し、関わっていきたいから」と発言しました。当日はホール、第2会場とも満員となり、食と農への関心の高さがうかがえました。また、運動交流では新婦人、医労連など県内5団体から活動報告もあり、会場は終始笑いと活気にあふれ、今後の運動を進める力をもらいました。
(新聞「農民」2023.10.2付)
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[2023年10月]
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