本の紹介
都市農業新時代
いのちとくらしを守り、まちをつくる
中塚華奈・榊田みどり・橋本卓爾編著
都市農業を守り発展させる一助に
本書刊行のきっかけは、「学生たちに都市農業について教えるとき、適当な本はありませんか」という会話からです。
都市農業をめぐる状況は2015年の「都市農業振興基本法」の制定によって大転換するとともに、いわゆる「2022年問題」を抱えて先行き不透明ななか、次の4点を本づくりの基本にすることを確認しました。
第1は、都市農業が新しい時代に入り、都市に「あるべきもの」、つまり不可欠な存在として位置づけが大きく変わりました。この新しい視点から都市農業を捉え直すことです。
第2は、都市農業の現在だけに焦点を当てるのではなく、その歴史や行く末にも光を当てることです。
第3は、都市農業が農業者のみならず都市住民の命やくらしにとって、さらにサステナブル(持続可能)なまちづくりにとって不可欠だということを重視することです。
第4は、都市農業の歴史、現状、役割・機能、今後の課題と展望等をわかりやすく書き込むことをめざしました。
また、都市農業の現場で生き生きと頑張っている農業者、都市住民、農業団体、地方自治体等の活動をできるだけ伝えるために事例紹介にも力点を置いています。
都市農業が新時代を迎えるなかで、これまでの歩みや現状の理解だけでなく、今後の都市農業のあり方や行く末を考えるために、できるだけ多くの情報を提供したいとの思いから、かなり盛りだくさんの内容になっています。
学生だけでなく都市住民の方々、農業者や農業団体・行政関係者にもぜひ読んでもらいたい1冊です。
1人でも多くの方が都市農業に興味や関心を持ち、都市農業を守り、発展させる輪に参加していただくための一助になれば幸いです。
(中塚華奈さんのはしがきから)
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発行 実生社
A5判、縦210センチ・横148センチ、厚さ16センチ、216ページ、並製
価格 2600円+税
注文 各インターネット書店で
(新聞「農民」2023.10.2付)
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