「農民」記事データベース20231002-1571-02

インボイス導入やめろ!
2023雷大行進


チンドン屋さん先頭に
浅草の街を800人行進

 「インボイス(適格請求書)導入は中止せよ!」「物価高騰から暮らしを守れ!」―。太鼓やクラリネットを演奏する華やかな着物を着た「ちんどん屋」を先頭にしたデモ行進が、9月10日、東京・浅草の街を練り歩きました。

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「私たちも導入は困ります」と沿道へアピール

 「インボイス導入やめろ!2023世直し雷大行進」が行われ、実行委員会の発表で800人を超える人々が集まりました。

 デモ行進前の集会では実行委員長として田中茂さん(東京商工団体連合会副会長)が主催者あいさつをしました。実質賃金が16カ月連続で下がり、物価高騰で暮らしが大変な状況の中で自民党・公明党がインボイス導入を決めたことを強く批判。その上で「憲法で定められた応能負担の原則を守らせる政治に1日も早く変えるために、インボイス制度を廃止に追い込もう」と呼びかけました。

 東京地評の白滝誠副議長は、中小企業の倒産がコロナ禍よりも増えている実態を告発。

 原材料の高騰を価格転嫁できない現状で、コロナ禍で借りた融資の返済が経営を圧迫していると述べ、「今やるべきはインボイスと言う名の消費税増税ではなく、中小企業支援とセットで、最低賃金を1500円に引き上げ消費を上向かせることだ。大企業がため込んでいる512兆円という内部留保の一部に課税すれば財源はできる」と訴えました。

 いまでも登録を真に悩んでいる

 人間を大切にする世の中を目指し、台東区内で下町庶民文化の継承発展に取り組む「下町人間の会」の川杉元延理事長もスピーチ。「芸能文化に携わる会員のほとんどが年収1000万円以下の免税事業者で、今の時点でもインボイス登録をするべきか本当に悩んでいる」と実態を告発しました。

 デモ行進の先頭で打ち込み演奏をにぎやかに行った、ちんどん屋の皆さんもインボイス導入に対する思いを述べました。「チンドン芸能社」の親方、長田美香さんは制度が複雑すぎて理解が難しいと述べ、「不安でいっぱいだ。ちゃんと税金を納めているのに、なぜ負担が増えるのか。今日は皆さんと同じ思いで行進したい」と語りました。「チンドンあづまや」の親方、足立大樹さんは「私たちも導入されたら非常に困る。困るものはそのままにせず、やめさせましょう」と力強く語りました。

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「営農の権利を守るためにインボイスは必ず中止に」と訴える齋藤さん

 食料生産を大切にする農政に

 農民連の齋藤敏之常任委員も農家の声を発信。あらゆるものの値段が高騰する中で、農民も生産費を収入で補えない苦しい実態を報告し、農業関連予算をはるかに上回る軍事費について言及。「国を守るというのなら、最も大事な食料生産が続けられる農政にすることは当たり前だ。当面するインボイスは何としてもやめさせるためにがんばろう」と訴えました。

 インボイス制度を考えるフリーランスの会(通称STOP! インボイス)の小泉なつみさんは、先日財務省に36万人を超える「インボイス導入反対」署名を提出したことを報告。「ここへきてメディアもやっと報道し始めて、岸田政権も無視できなくなっている」と話し、「今月中に署名50万人を達成させ、皆で導入を止めよう」と呼びかけました。

 日本共産党の宮本徹衆院議員と、れいわ新撰組のくしぶち万里衆院議員が連帯あいさつをしました。参加者は浅草寺のまわり約2キロメートルをアピールしながら歩きました。

(新聞「農民」2023.10.2付)
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2023年10月

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