「農民」記事データベース20230925-1570-18

旬の味


 厳しい夏となった。猛烈な暑さ、繰り返される大雨、片や干ばつの地域。当地は7月下旬の梅雨明け以後雨らしい雨が降らず大地はカラカラに乾き、夏野菜は早々にばて、田んぼの用水も場所によっては不足。それでもまったく水がなく稲が枯れてしまった地域のことを思えばありがたいことだ▼頻繁に耳にした「経験したことのない」…わが家も真夏のような気温の中での稲刈り作業となる。高温障害による品質の低下も気がかり。以前の気候であれば秋の長雨の季節でもあり、秋冬野菜の種まき、手入れを済ませ、一息ついてからの収穫作業だった▼爽やかな秋風、山から戻ったアキアカネに元気をもらいながら自然の恵みに感謝し、喜びで迎えていた収穫の秋…はどこへやら。それだけでも厳しい夏なのに、原発事故による処理汚染水の海洋放出が始まった▼「7世代先の未来を考えて決める」というネイティブアメリカンの生き方を思うとき、「厳しい現実の中だからこそ前向きに生きなさい」と力を与えられる。

(蛙)

(新聞「農民」2023.9.25付)
ライン

2023年9月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2023, 農民運動全国連合会