本の紹介
宮入興一・長崎大名誉教授著
諫早湾干拓事業の公共性を問う
―歴史的経緯とその利権構造をえぐる―
事業の公共性と合理性
改めて問いかけている
無駄な公共事業の象徴といわれてきた国営諫早湾干拓事業。事業の目的は為政者の都合でコロコロと変遷し、いったい誰のための公共事業なのか、そう問いかけています。
かつて宝の海と呼ばれた有明海は荒廃し、干拓地に入植した営農者も次々に撤退せざるをえない状況が続いています。
そうした中で、公共事業の“恩恵”を受けるとされた官僚、財界、政治家の癒着構造は今なおはびこり、天下りの温床化がみられます。
この本は長年、経済学と費用対効果の観点から、宮入興一氏(長崎大学名誉教授)が暴き出した力作といえます。
日本環境会議理事長・一橋大学名誉教授の寺西俊一氏も「『優良農地の造成』『防災機能の強化』を掲げた諫干事業。起工から35年目のいま、“宝の海”有明海は瀕(ひん)死の状況。この事業の『公共性』『合理性』を改めて問いただす好著!」と推薦の言葉を寄せています。
(佐賀県農民連 林田直樹)
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▼A5判ブックレット84ページ
▼定価 880円(税込み)
▼問い合わせ・注文先 花伝社 電話 03(3263)3813、FAX 03(3239)8272
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(新聞「農民」2023.9.4付)
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