「農民」記事データベース20230828-1566-08

宮若市

福岡 若宮農民組合と
韓国KPL・海南(ヘナム)郡農民会が
国際交流

ものづくり、流通、農政、農民組織の運営会費…
両国の家族農業の現状と農民運動を交流

 7月11日、福岡県宮若市で若宮農民組合と国際農民組織ビア・カンペシーナに所属する、韓国農民会総連盟(KPL)、海南(ヘナム)郡農民会のメンバーが交流しました。


日本の農政を後追いしている韓国農業
自給率も低下 日本農業の実態知りたい

 ブドウハウスとオクラ畑を視察

 大型バスが乗り入れできる場所、オープン1週間前の安田農園直売所で合流し、すぐそばにあるブドウのハウスを視察しました。生産者の安田久雄さんが、品種や栽培の特徴などを説明。作付け面積、販売の仕方など熱心な質問に答えました。

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日韓の両農民たちが記念撮影

 暑さと交流時間の関係から因泰光(ちなみ・やすみつ)組合長のオクラ畑をバスの中から視察、毎年行っている産直交流会の圃(ほ)場の真横の公民館で、日韓農民の交流会を行いました。

 因組合長が、「私たちは10数年前、晋州(ジンジュ)・慶南道(キョンナムド)農民連盟を訪れ、KPLのみなさんには大変お世話になりました」と歓迎のあいさつ。

 海南農民会16人、若宮農民組合12人の参加者全員の自己紹介の後、日本の農政に関する質問が次々に出され、これからの農業の在り方にまで話が及び、サミット会場かと思ったくらいです。

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左は生産者の安田さん

働き盛り世代の韓国メンバーの
パワーに圧倒された交流会

 すばらしい通訳で和やかに

 旅行スケジュールに同行された通訳、キム・ヨンシンさん(女性)は農業分野に詳しく、質問の趣旨を即座にまとめられ、日本の農業委員会、農地法、農産物下落に対する補助金の仕組みなど、専門性が高い用語も素晴らしい通訳で、会話と交流が行き詰まることがありません。

 「韓国は中間業者がマージンを取りすぎている、そういう業者しか売り先がない。日本の農家はどんな販売をしているのか」「価格が下がった場合、補助はあるのか」「韓国の農業は日本の農政を後追いしているようだ。自給率も後追いする。その実態を知りたい」「若宮農民組合はどのような目的で設立され、年会費でどうやって運営しているのか」などの質問が出されました。

 一番若い参加者は42歳で、参加した米農家は「お米は無農薬で作っている。雑穀・黒米もつくっている」「米作りは日本の技術が進んでいるので学びたい」などの感想が出されました。

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公民館でも交流しました

 約3時間半、日本語と韓国語が行き交った家族農民たちの意見交換は、2国間の農政を考える国際会議の展開となりました。「日本と同様に高齢化が進んでいる」「後継者問題がある」とはいえ、今回のツアーに参加された農民会代表メンバーはまさに働き盛り、韓国パワーに圧倒された交流でした。「ぜひ韓国、海南郡農民会に来てください!」「いきま〜す〓!」

 「世界の農民は一つ、ビア・カンペシーナで再会しましょう」とグータッチで一行を見送りました。

※〓はハートの記号

(福岡県農民連 藤嶋嘉子)

(新聞「農民」2023.8.28付)
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2023年8月

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