農民連ふるさとネットワークが総会
産直事業と運動・学習で
食と農の危機打開へ
国民的な世論、共同広げよう
全国74の産直組織が加盟する農民連ふるさとネットワークの第20回総会が7月28日、都内をメイン会場にオンラインで全国とつないで開催されました。
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メイン会場で発言する代議員 |
日本の農と食の再生に取り組む
開会あいさつで根本敬代表は、今の食料・農業の問題を国民的な世論に押し上げていくことの重要性を指摘。事業組織としてのネットワークを生かして対話を広げていこうと提起しました。
湯川喜朗事務局長が第19期事業報告・決算案、20期事業計画・予算案を提案。長峰雅監査から19期監査報告がなされ、すべての議案が了承されました。
また第20期事業計画では有機やネオニコフリーなどの「こだわり米」や飼料用米を含む準産直米の取り扱いを19期よりも増やすこと、カタログ・産直品の販売強化、学校給食での農民連の仲間が作った地場産・有機農産物の供給の強化などが強調されました。
取引がない学校から申し込みも
討論では、宮崎産直センターの来住誠太郎さんが、新日本婦人の会と農民連の「4つの共同目標」に照らした新婦人産直の運動について、「昨年、毎月学習会を開き、その中でネオニコフリー米の産直を宮崎でもやろう、となり現在協議を進めている」と発言。残留農薬分析の検査料は生産者・産直センター・新婦人の3者で負担することなど、互いに発展する産直運動の取り組みを紹介しました。
千葉県・多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんが学校給食の取り組みについて「食育の授業として、農家による対面・ズームを使った遠隔・動画を使った授業の3タイプの中から、栄養士の先生に選んでもらい実践している。これまで取引がなかった学校からも多数申し込みがあった」と紹介。
神奈川農畜産物供給センターの五十嵐順一さんは、配合飼料の価格高騰による畜産農家の困難に言及。新婦人の豚肉産直に供給している養豚経営のエサ代が1600万円増えている厳しい経営の中で、「国産飼料の増産に向けて農民連会員が作る飼料用米の購入に千葉や福島の産直組織に協力してもらっている」と報告。
インボイスの問題について、農民連ふるさとネットとして農協特例、3年間の仕入税額控除8割適用の活用をしていく方針です。その中で「農家の負担をできるだけ減らしていく。免税農家には課税事業者になる必要はないと説明し、この政策を廃止させる運動を続ける」(愛知・アツミ産直センター・本多正一さん)などの発言がありました。
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オンライン発言した代議員の皆さん |
農民連『提言』広げていこう
日本共産党の農林水産委員、田村貴昭衆院議員が来賓あいさつを行いました。
また総会に先立ち、農林水産省経営局の小林博美経営専門官を招き、昨年法定化された「地域計画」と「人・農地プラン」について学習しました。
小倉毅副代表は「気候危機の厳しさもある中で農家の経営努力が続けられている。市民・消費者・生産者と日常的に関わる私たちがどれだけ訴えていけるか。その役割の重さをあらためて感じた」と述べ、農民連の『提言』『アグロエコロジー宣言(案)』のパンフレットを広げていこうと呼びかけました。
(新聞「農民」2023.8.14付)
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