「農民」記事データベース20230731-1563-01

柿畑・ハウス・農機具が一面泥に埋まる

九州北部豪雨災害

佐賀県 福岡県 大分県

関連/23年夏豪雨災害支援募金にご協力を


長谷川会長が現地入り
被災会員の声を聞き激励

 7月10日に九州北部で発生した線状降水帯による豪雨災害で福岡県、佐賀県、大分県の各地で甚大な被害が出ました。農民連の長谷川敏郎会長は15日から17日にかけて現地入り。15日は福岡県農民連の藤嶋嘉子事務局長に農民連本部からの見舞金を渡し、みのう農民組合の坂本恵子事務局員らと被災した会員農家を訪れ、調査・激励しました。

 久留米市田主丸町地徳で柿やブルーベリーの果樹農家、井上永太郎さん(県連役員)は、山の中腹にある自宅の目の前を土石流が流れました。自宅は無事でしたが、畑やハウス、倉庫、車庫が被害を受けました。発災から5日が経つこの日は、多くのボランティアと一緒に重機も使いながら、自宅前と倉庫の土砂を撤去する作業に追われていました。

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井上さんの自宅前の災害現場(右から永太郎さん、直美さん、坂本さん、長谷川会長)

 「いまはまず土砂の搬出道路の確保が最優先。ハウス内の泥や溝は手が付けられない」と永太郎さん。土砂が押し寄せた3棟のハウスには農業機械やブルーベリーの苗木がありましたが、トップカー(運搬車)などの機械はほぼ埋まり使用不能に、1メートルほどに育った苗木も30センチメートル以上埋まりました。「今年もおいしいブルーベリーができた、と井上さんから届けてもらった直後の災害だった」と坂本事務局員。

「へこたれてはいられない」

 雨が降るたびにヒヤヒヤする

 妻の直美さんは「夜は避難所の公民館で過ごしながら復旧作業をしている。雨が降るたびにヒヤヒヤする」。永太郎さんも「激甚災害に指定されないと、柿の畑は放棄するかもしれない」と語りながらも「県の農林事務所には早く動いてくれと働きかけている。こんなことではへこたれないよ。次の世代へ引き継ぐのを見届けないと」と自分を励ましながら頑張っています。直美さんも「起きたことは仕方がない。次のことを考えていかないと」と話します。

 長谷川会長は「県連に情報や要望を届けてほしい。本部としても現場の声を持って農水省に要請に行く。暑いので体に無理せず、再建に向けて頑張ってほしい」と激励しました。藤嶋事務局長も「県連として現場の要望をまとめたい」と応えました。

 調査中も断続的に激しい雨が降り、別の会員農家へ向かう際には避難指示が出され、訪問を断念しました。

 営農再開へ連携していこう

 また16日の大分県連大会では下郷農協の玉麻(たま)農夫男組合長と大分県連に、農民連本部からの見舞金が渡されました。中津市耶馬溪町の下郷農協は10日の大雨により、組合農家の田んぼや水路が被災。トラックが水に漬かり2日間配達が滞り、軽貨物車3台が水没により廃車になるなどの被害を受けました。

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中津市山国町の集落で被災者から話を聞く長谷川会長ら(ヘルメットをかぶる後ろ姿が三上事務局長)

 17日は大分県中津市で被害が大きかった山国川沿いを大分県農民連の三上英範事務局長と調査しました。

 今回の調査を終えて長谷川会長は「九州だけでなく、全国で豪雨災害が多発している。被災した農家が営農をあきらめず、大事な農地を将来世代に残していくために全国連、県連と連携して頑張りましょう。待っていたら自治体は動かないので、要請行動もとても重要になる」と話しました。

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見舞金を受け取る玉麻組合長(右から2人目)と佐藤隆信県連会長(その左)


23年夏豪雨災害支援募金にご協力を
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 店名  008 普通6167171
 名義人 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2023.7.31付)
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2023年7月

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