旬の味
妻の実家である島根県益田市の土地を開拓し始めてから7年、やっと来年から乳製品の製造販売が始められる段取りとなった。借り入れと補助金のために入念に計画書を作り、一度は断られた借り入れも、実際に現地に来てもらい説明することで先方も納得してくれた▼酪農を含む畜産業界を取り巻く情勢はいっこうに良くなる気配はない。飼料価格の高止まりは当面落ち着きそうもなく、肉の販売はコロナ禍が一段落しても以前ほどの需要を取り戻せそうにない▼子牛の販売価格もそれを受けて8年ぶりの安値を更新している。向かい風の中でのスタートは、決して楽なものではないだろう。しかし、飼料代の値上がりから、広範囲の土地管理を省力化できる放牧にもまた注目が集まっている▼動物福祉(アニマル・ウェルフェア)への意識も以前と比べれば高まりを見せているように思う。大きなうねりを見せる社会情勢の中でも、波に飲まれないように、しっかりと土地に根ざした農業をこれからも行っていきたい。 (T)
(新聞「農民」2023.7.24付)
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[2023年7月]
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