農民連
「提言」を野村農水大臣に提出
食料自給率向上を
法律で国の義務に
農民連は7月11日、『食と農の危機打開に向けて〜新農業基本法に対する農民連の提言〜』を示し、野村哲郎農水大臣に食料自給率向上を要請しました。
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野村農水大臣(右から3人目)に『提言』を手渡す長谷川会長(中央)ら |
長谷川敏郎会長は、食料・農業・農村基本法の改定に当たって、「食料自給率を法律できちんと位置付け、国会で検証もして、向上をめざしてほしい。また価格保障や価格転嫁のシステムも重要だ。今は中山間地だけでなく平場でも耕作放棄地が増えており、大規模農家や法人だけでは農地を引き受けきれない。兼業農家なども含めて農に携わる人全てを担い手として位置づけ、地域農業を支えていく方向で議論してほしい」と求めました。
野村大臣は、「社会保障が受けられ、若い人が働きやすくなるなど法人化にもメリットがある。しかし家族経営が基本だというのは、私もそう思う。多様な形態を考えていく必要がある」と答えました。
長谷川会長は、工業的な農業一辺倒ではなく、環境や生態系と共存したアグロエコロジーへの転換の重要性を訴え、「こうした農業の実現には、家族農業をはじめ多様な担い手が地域にいることがどうしても必要だ」と重ねて強調しました。
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懇談の様子 |
また、農業基本法の改定に当たっては、現行法の20年だけでなく、旧農基法からの60年をきちんと総括することも求めました。
懇談には、日本共産党の紙智子参院議員が同席しました。
懇談後には記者会見が行われ、記者からは食料自給率の位置づけや担い手の問題、価格保障・価格転嫁・直接支払いなどについて質問が相次ぎました。農業予算についての質問では、笹渡義夫副会長は、「軍事費を倍増させる法律が通る一方で、今後、農業予算が削減されることをたいへん危惧している。しかしそれでは国民の食料は守れない。増額こそ必要だ」と述べました。
(新聞「農民」2023.7.24付)
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