「農民」記事データベース20230717-1561-02

マイナ保険証
勝手に決めるな


国民多数の声を聞け!

市民団体 国会前で緊急行動

 トラブルが相次ぐマイナンバー制度の問題で7月5日、衆議院の地域・こども・デジタル特別委員会で閉会中審査が開かれ、同日国会前で緊急行動が行われ、約100人の市民が参加しました。主催はマイナンバー制度反対連絡会や中央社会保障推進協議会など。

 団体からの発言では、東京土建の木村潮人本部事務局次長が、「私たちは現行の保険証を使って病院にかかることに何の不満もない」と話し、現行の保険証廃止を進める中で起きている数々の問題に触れ、政府を批判。いま起きている不具合を解決させずにマイナ保険証を強引に運用すれば医療事故は更に広がるとし「マイナンバーカードの普及を人の命と引き換えに行わないでもらいたい」と強く訴えました。

 東京高齢期運動連絡会の菅谷正見事務局長は「政府は日本の高齢者の実態が全く分かっていない」とした上で、経済的な理由などから医療にかかれず、近隣の支えがない状態で孤独死をする高齢者が多くいる現状を告発。「どれほどケアの欠けている高齢者がいるのか。そこに加えて、マイナ保険証の制度でとんでもないことになる。何としても今の保険証を残してもらいたい」と語りました。

 マイナンバー制度反対連絡会の事務局長の原英彦全労連常任幹事は、今回成立させられた法律の中身を指摘。「年金受給者の受け取り口座を、期限内に本人の登録がなければ、行政がマイナンバーへ紐づけさせるとしたことは大問題だ。本人の同意もなく、口座情報を政府に差し出すなんて。そんなシステムは世界で日本だけだ」と強く批判しました。

 全労連の小畑雅子議長は、マイナンバーカードは5年に1回、資格確認証は1年に1回、自分で申請しないと無保険になってしまうと指摘。「保険証廃止法は国民皆保険制度の根幹を揺るがす。たとえマイナンバーカードに不備がなくても、今すぐ撤回するべきだ」と訴えました。また、現行の保険証がなくなることで、開業医・かかりつけ医が保険診療を続けられないとして、廃業を考えているケースが相次いでいることも指摘。「かかりつけ医は私たちの命綱。廃業が続出すれば全国で医療難民がうまれてしまう。どの角度から見ても、この制度は絶対に許すことはできない」として、保険証廃止の撤回に向けての取り組み強化を呼びかけました。

 東京民医連、年金者組合、農民連から町田常高事務局員も発言しました。

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スピーチする町田事務局員(右)

 今月26日には参議院でもこの問題で閉会中審査が開かれる予定で、マイナンバー制度反対連絡会は当日の抗議行動への参加も呼びかけました。

(新聞「農民」2023.7.17付)
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2023年7月

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