「農民」記事データベース20230710-1560-11

旬の味


 無事田植え、その後の草対策を終えほっと一息。種まき前に飛来したツバメのヒナも今年は7羽が無事巣立ち、田んぼの畦草の陰では数年来目にしなかったコオイムシを見かけ元気をもらう日々▼今年も鴨たちがクログワイ(田んぼの厄介な草)の塊茎を食べにヒナを伴って来てくれ草処理をしてくれる。先日はお米を食べていただいている都内の方から「梅雨仕事の梅漬け、らっきょう漬けを無事済ませました」とのメッセージが届く。山菜の塩漬けやジャム作りと自然の恵みを豊かにいただける季節。豊かな四季の恵み▼しかしその幸せな思いは次々と突きつけられる現実にかき消される。漁業者の方たちの同意がなければやらない約束をほごにして強行しようとしている福島第一原発事故による“処理水”海洋放出。そのトンネル工事が完了したという▼“被災地の復興”もそこで土とともに生きてきた人々の思いを無視して箱物造りばかり。飯舘村での暮らしをこよなく愛し他所で一生を閉じたKさんの無念を思う。

(蛙)

(新聞「農民」2023.7.10付)
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2023年7月

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