「農民」記事データベース20230703-1559-19

旬の味


 農地がなくなると農業は継続できません。5月下旬の農村政策審議会の中間とりまとめでも、「農地の確保、適正利用」が、生産性の高い農業経営体の目標となっています▼熊本県では真逆のことが進行。台湾の半導体企業が菊陽町に進出し、関連企業の用地確保で農地の争奪、転用が進み、優良農地が失われています。地元農家は、「半導体企業進出に反対とは言わないが、農地の争奪が進めば農業で暮らすことができなくなる。県は農家のことも考えてほしい」と訴えています▼企業は第2工場の建設も地元でと表明、県知事は歓迎の意向です。農業県の知事に農地を守る意思が感じられません。県は「農地を希望する農家には、例えば近隣の耕作放棄地のあっせんを検討」と言っています▼私は以前、熊本県農民連の産直で、菊陽町内の病院給食の農畜産物の配達をしていました。周辺は広大で優良農地が広がっていました。「とりまとめ」とは反対に、菊陽町と周辺の農地は減少し、農家は展望が持てない状況です。

(Y)

(新聞「農民」2023.7.3付)
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2023年7月

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