「農民」記事データベース20230626-1558-01

6月豪雨被害
ただちに支援を!


和歌山

選果場が浸水、ハウスが破損
営農継続に全力を

 梅雨前線と大型の台風2号が紀伊半島に接近した影響で6月1日夜から3日明け方まで雨は降り続きました。この間、紀伊半島に線状降水帯も形成され1時間34・5ミリの雨量を記録する地域もでるほどの大雨で土砂災害、河川の増水、家屋などの浸水など大きな被害をもたらしました。

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畑も土砂崩れの被害が(海南市)

 和歌山県農民連には4日、県連役員から、「海南市の選果場が浸水した」「有田市のミカン農家の園地の石垣があちこちで崩れている」「橋本市のトマトのハウスが破損している」などの連絡が入りました。

 すぐに県議会議員、市議会議員に連絡。議員には集約途中であっても被害状況をその都度伝え、行政につなげてもらっています。

 県農民連として、災害に際し大事にしていることは、被災された農家が復旧に支援の手が差し伸べられているかどうか、支援から取り残されている農家がいないか、被災を機に農業を続けていくことを諦める人を出さないようにしていくことです。

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ビニールハウスも被害に(かつらぎ町)

 今後の課題としては、「台風など気候災害の被害を受けた農家が再生し、県民の食料を安定供給できるように、県独自の支援策を」という要求を実現するために県部局との懇談や市や県と災害時などでのホットラインをつくることを考えています。

(和歌山県農民連会長 土井康弘)


愛知

野菜畑、ハウスが冠水 品質への影響心配
万全な補償求めて

 6月2日、台風2号と梅雨前線による豪雨で、豊橋、田原、豊川各市など愛知県東部で多くの被害が発生。豊橋市や田原市では24時間の雨量で過去最高を記録し、夕方以降の帰宅時間には多くの場所で道路が冠水、動けなくなった車で渋滞が多発していました。

 農作物では東三河をはじめ、県下各地で被害があり、野菜や花など17億円を超えると報道されています。

 農民連の会員も、渥美半島の先端に近い、田原市西山町の小林真人さんのトウモロコシ畑では、3日朝になっても、まだ水が引いていませんでした。今月に入って収穫が始まったばかりで、今後の生育や、品質への影響が心配されています。

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水につかり根元から傷んだトウモロコシ(田原市)

 田原市赤羽根町の鈴木福一さんのきゅうり、ミニトマトを栽培するハウスでは、3日朝からポンプを使って水をくみだし、できるだけ早く回復するよう管理を進めています。

 豊川市の金沢地区、豊川の霞提近くにある高柳美智子さんの畑では、人参や大根、かぼちゃの畑が水につかり、傷みが徐々に広がってきています。

 農作物の補償は、農業共済や収入保険しかなく、加入していない農家も少なくありません。被害の大きい農家もあり、行政の支援が必要です。

 豪雨の後も晴天の日が少なく、ジャガイモの収穫や、モロヘイヤの植え付けなどの作業が遅れています。

(愛知農民連事務局長 本多正一)

(新聞「農民」2023.6.26付)
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2023年6月

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