「農民」記事データベース20230619-1557-10

旬の味


 昨年暴落した子牛の価格が今年の春には持ち直し、わが家にも一筋の光明が見えたかに思えた。しかし今年は化学肥料の高騰に拍車がかかり、頭を悩ませることになっている▼昨年も肥料の値段は2割ほど上がったが、更に今年はそこから3〜4割も上がった金額を業者から提示された。国からの補助金は実質的には上昇分の4割程度しか保障されず、さらなるコスト上昇が確定している状況である▼昨年と同じ量を仕入れた場合、支払い能力を超過する可能性を否定できず、今年は2割程度、購入数を減らし対応することとした。牧草の収量減も予想されるが、収穫できた分で何とか乗り切れるという方針に決めるが不安でならない▼このご時世、酪農に限らず、農産物はコスト上昇に見合った価格の上昇に至っていないと実感する。どんなに物価が上がっていても、それが生産者である農家の所得につながらないばかりか再生産すら危うい状況。日本は本当に国内農業を必要としているのか疑問を抱かずにはいられない。

(K)

(新聞「農民」2023.6.19付)
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2023年6月

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