農民連全国代表者会議農業と食料の危機!
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「仲間ふやし集中期間を成功させよう」と誓い合いました |
長谷川敏郎会長があいさつ。食と農の危機は、ロシアによるウクライナ侵略の長期化、世界の新たな分断と覇権主義の争いなど、政治の動きの中でとらえることが大切だと述べ、「食料・農業問題は、いまや自民党政権の最大の弱点になっている」と指摘しました。
その意味でも、「食料・農業・農村基本法」見直しは、(1)食料自給率38%は「砂上の楼閣」という実態に対する国民的関心と農政に対する批判のかつてない高まり、(2)新自由主義農政と工業的農業の破たん――の結果、食料・農業・農村基本法の「見直し」を打ち出さざるをえない事態に陥っているという面があることを踏まえ、食料増産と自給率向上で国民の食を守るのか、それとも、自給率を低下させたままで国民を飢餓に追い込むか、この2つの道のせめぎ合いの情勢だと述べました。
法律での作付け命令や食料の強権供出など食料・農業をめぐる有事立法のねらいは、食料・農業分野から「戦争する国づくり」をあおり、自給率38%の危機的実態を国民の目からそらすためのものであり、「食と農の問題が今ほど注目されているときはない。これを新たなたたかいのチャンスとして、全力で取り組もう」と訴えました。
酪農・畜産危機を打開する運動では、2千人にのぼる畜産農家の個人要望書を積み上げ、畜産局長による異例の「手紙」を全国1万3千戸の酪農家に出させ、期中改定を含む2度にわたる乳価引き上げを勝ち取るなど、従来の枠を超えた画期的な成果をもたらしたことを報告しました。
さらに、消費税減税やインボイス実施中止、学校給食無償化、資材・肥料・飼料・燃油高騰対策を自治体に求める運動を提起しました。
「農業のあり方が厳しく問われるなか、農民の要求を実現するために、全国で運動を展開する農民連の存在が今ほど輝いているときはない」と述べ、「会員拡大は税金、ものづくり、産直、免税軽油、農業労災、資材対策などの農家の要求を実現する運動と結んでこそ実現できる」と強調。8月4日に開催する「全国研究交流集会」までの2カ月間を「仲間ふやし集中期間」として全国で取り組むことを提起しました。
真嶋良孝常任委員が、食料・農業・農村基本法の見直しについて、特別報告を行いました。
滋賀県連の若林吉和事務局長は、米価暴落問題で県内全20自治体に請願を出し、12自治体で採択された経験を述べ、酪農・畜産問題でも会員に畜産農家がいないなかで約10軒から要望書を集め、11月以降で会員15人、新聞を14部拡大した成果を紹介しました。
富山県連の水越久男副会長は、就農してから60年を振り返り、「今ほど命や生活と向き合いながら農業に携わっているときはない」と述べ、こうした悩みを解決し困難を乗り越えるためにもたたかう組織と仲間づくりが必要だと訴えました。
奈良県連の水井康介事務局長は、産直組織と県連・単組が合同で取り組みを進める意義を強調。学校給食やインボイスなど双方に共通した問題が根っこにあり、情報の共有と世代交代を協力しながら進め、さまざまな要求での年間を通した仲間づくりの必要性を述べました。
最後に、小倉毅副会長が「農民連の提言とアグロエコロジー宣言(案)を力にしながら仲間ふやし集中期間を成功させよう」と閉会あいさつを行いました。
来賓あいさつでは、全労連の小畑雅子議長が農民連の「提言」に共感と連帯を表明し、労働者と農家が低賃金と農産物価格低迷を改善するために協力してたたかう意義を語りました。
日本共産党の紙智子・農林・漁民局長(参院議員)も国会報告と基本法見直しの問題でともにたたかう決意を述べました。
6月3日の谷和原地区。民家のまわりの水田が完全に水没している |
「広範囲で長い時間降り、利根川も小貝川もいっぱいで、水がはけなかった。うちの田んぼは1〜2日で水が引いた場所もあれば、5日間浸水していたところもある。今後の病害虫の発生に注意しないといけない。収量も稲刈りまで分からないから不安はある。ここまでの浸水は上の世代の人たちも初めてと言っている。稲はまだいいが、野菜は一度漬かるとダメになるから大変」と話します。
[2023年6月]
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