ゲノム編集トマト苗の配布
拙速な受け入れするな
長野県消団連
県知事・教育委に要請
長野県消費者団体連絡協議会(長野県消団連)では、3月30日に長野県知事と長野県教育長あてに「教育機関へのゲノム編集トマト苗の無償配布の受け入れに関する要請書」を提出しました。
また、全県77市町村の教育長あてにも郵送しました。その中心項目は、(1)ゲノム編集食品に対する不安が払拭されていないままで、福祉施設や小学校等教育現場へのゲノム編集トマト苗の無償配布の拙速な受け入れをしないこと、(2)ゲノム編集食品が配布される場合、消費者や生産者に多角的な情報を提供するための仕組みを整備すること、(3)消費者がゲノム編集食品を確認できるような、仕組み・表示方法を整備すること――の3点です。
今年1月の全国消費者団体連絡会(消団連)による「ゲノム編集食品に関するアンケート」では、ゲノム編集食品を知っている人が2割、悪いイメージが6割となっていました。市民や消費者が不安を感じている実態があり、農業生産者からはゲノム編集作物が生態系に影響を与えないかなど、日本の食料生産に与える影響を危惧する声が多く上がっていることについての受け止めを、要請の前文に示しました。
学習会ひらき問題点を学ぶ
長野県消団連では、2月に開いた幹事会(会長・信大名誉教授、コープ長野、連合長野、県労連、労組会議、県連合婦人会、新日本婦人の会、労福協、生協連、農民連、I(アイ)女性会議、電機連合)で日本生活協同組合連合会から講師を派遣していただき「新たな技術『ゲノム編集食品』を学ぼう〜ゲノム編集食品って?」をテーマに学習しました。
講師から、政府が食品として許可した経過と見解を中心に話されました。その後の質疑では「自然界に近いと言うが、突然変異は長い歴史の中で取捨選択してきた。届け出のみで許可となる。心配だ」「事業者の試験結果の提出で許可していいのか」「高い特許料で、交雑したときの訴訟問題も起こる」など不安が出されました。
さらに「食品安全はハードルが高いのになぜ低くするのか」「判断力が十分に備わっていない子どもに押しつけていいのか」と不安が続出し、消団連として要望書を提出することになりました。
(長野県農民連 菊池敏郎)
(新聞「農民」2023.6.5付)
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