「農民」記事データベース20230529-1554-02

ゲノム編集トラフグの
ふるさと返礼品取り下げを

京都 宮津市
麦のね宙ふねっとワーク
共同代表 井口裕子さん

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  /ゲノム編集トラフグのふるさと返礼品取り下げを


食の安全と豊かな漁場を守りたい!

 市民に知らせず養殖施設を建設

 日本三景、天橋立のある京都府宮津市の「麦のね宙(そら)ふねっとワーク」です。2021年12月に、突如としてふるさと納税返礼品に京都大学のベンチャー企業リージョナルフィッシュ社のゲノム編集トラフグが登場しました。

 私は宮津湾で釣り船や宿を営んでいますが、この養殖施設があることを近くに住んでいる私たちや、漁業者、市議会議員にも知らされていませんでした。施設は水揚げ場のすぐ近く、海に面しており、排水などはそのまま海に流れています。

 その後、市長に返礼品からの取り下げや市民への説明会を求めて署名や請願を出してきましたが、残念ながらいまだ市からも、リージョナルフィッシュ社からも納得のいく回答を得られないばかりか、施設の視察なども行われず、市民や宮津を支えてきた漁業者を置き去りに企業誘致にばかり躍起になっています。

 リージョナルフィッシュ社のある関西電力エネルギー研究所の広大な跡地に脱炭素系の企業を誘致すると発表され、もしもここに巨大なゲノム編集陸上養殖施設ができるようなことになってしまったら、環境への多大な影響が起こるかもしれず、豊かな漁場がどうなってしまうかととても不安に思っています。

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市にふるさと納税返礼品取り下げを求める井口さん(左)=2月14日

企業の横暴にストップ!

 請願が継続審議 国会議員に要請

 ゲノム編集は国がフードテックの一環として推し進めているため、5月初旬に衆参両議院の議員会館へ行き、宮津の現状を聞いてほしいと農林水産関連委員会の議員さんに直談判に行きました。

 6名の国会議員さんにお話を聞いていただき、今後国会などでもしっかり議論をしていただくようにお願いしました。

 国は何か問題が起こったときの責任は国ではなく、企業にあるとしていますが、市民に寄り添うことなく暴走している企業をどうやって信頼せよというのでしょうか。

 魚だけでなく、農作物やほ乳類、果ては人間にもゲノム編集が実用化されようとしています。

 スーパーや給食、回転寿司(ずし)などでゲノム編集魚が並び、子どもたちが何も知らずに口にしてしまう前に、私たちおとながしっかり責任を持って、食の安全を守っていきましょう!

 なお、ゲノム編集トラフグをふるさと納税返礼品にしないことを求める請願が3月市議会で継続審議になっています。返礼品取り下げ求めて引き続き運動していきます。

(新聞「農民」2023.5.29付)
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2023年5月

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