農水省が全酪農家に「お手紙」郵送
前代未聞
畜産局長名で約1万3000通
農民連の「要望書」の運動が大きな力に
農水省の牛乳乳製品課が4月25日までに全国1万3000戸の酪農家に向けて、畜産局長名で「手紙」を出していることがわかりました(写真)。行政機関が全酪農家に「手紙」を送るなど、異例中の異例。かつてない事態です。
内容は、飼料高騰などの厳しい経営環境下で経営を続ける酪農家に「敬意を表します」と述べ、国の支援策に酪農家から意見が届いていることや、今後は農協などでまとまって意見を上げてほしい旨が書かれています。宛て先のラベル張りは牛乳乳製品課の職員が2週間をかけて、1通ずつ手作業で行ったとのこと。
農民連は6次にわたり、総計で約1700枚に及ぶ畜産農家の個人要望書と、オンライン署名8万1千人分を農水省に届け、「酪農・畜産の現場の声を真剣に聞き、実情に合った支援をしてほしい」と要望してきました。
3月には、粗飼料高騰対策として経産牛1頭あたり1万円(北海道7200円)の支給などの「畜産・酪農緊急対策パッケージ」も発表されました。その内容は危機打開には全く不十分ですが、酪農家の上げた声が、現実に農政を動かす大きな力になっています。
(新聞「農民」2023.5.22付)
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