全国災対連が第24回総会
生存権に基づき国の責任で
被災者の支援を
被災者生活再建支援法の拡充や
防災・減災の強化求める
「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(全国災対連)は3月30日、第24回総会をオンライン併用で開催し、約40人が参加しました。
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全国の被災地から実態が報告されました |
小畑雅子代表世話人(全労連議長)は開会あいさつで、「高額な兵器よりも国民の命と安全を守ることに税金を回させよう」と呼びかけました。
原英彦事務局長が方針を提案。被災者生活再建支援法をすべての被災者が救済される制度に改善することや「防災省」の設置など防災・減災対策の抜本的強化、被災者生活再建支援法の拡充を求める国会請願署名に10万人目標で取り組むことなどを提案しました。
討論では11人が発言。茨城県常総市の片倉一美さんは、15年9月の常総水害の被害者が河川管理者である国の責任を追及した裁判で、「水戸地裁は、堤防工事の遅れの結果、越水が起きたことを認めなかった。これを乗り越えなければ勝利ではない」と話し、引き続き支援を訴えました。
東日本大震災の被災地からも報告。「家賃低廉事業が終了し、復興援護資金の返済が始まったが4割以上が返済できず滞納。被災地は人口減少も深刻」(宮城)、「ハード面の復興はほぼ完了するも被災者の生活困窮は深刻になっている」(岩手)、「県民主体の復興計画が惨事便乗型の開発にすり替えられ、住民と復興事業のミスマッチが起きている」(福島)など被災者が困難を抱えている現状が明らかにされました。
東京災対連からは、東京に20年で200万人が増え住宅密集が進む一方で、避難所の数は増えていないとの指摘があり、学校へ防災教育の実態アンケートをとることなどが提案されました。
討論のまとめで原事務局長は、災害支援は権利の保障という意識を土台にして勝ち取っていくことや女性の防災計画などへの参加など、住民運動への支援の重要性を訴えました。
閉会あいさつで、住江憲勇代表世話人(全国保険医団体連合会会長)は「今年度予算は国民の生活と安全が二の次で、被災者生活再建支援法の見直しは、はるかかなたになっている。災対連の果たす役割はますます大きい」と奮闘を呼びかけました。
(新聞「農民」2023.4.17付)
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