インボイス導入中止・農協特例学習会
基本的人権にも法律にも反する
農民連・ふるさとネット
農民連と農民連ふるさとネットワークは3月24日、「インボイス導入中止の運動と農事組合法人の農協特例学習会」をオンラインで開催しました。
(農)長野県農民連産直組合の庄田正美事務局次長が長野県連でのインボイスへの対応の検討状況を報告。県連で議論し、産直組合を全組合員加入の組織に発展。生産者の負担増を抑えるため、農協特例の活用準備を進めていることを紹介しました。
立正大学法制研究所特別研究員で「不公平な税制をただす会」共同代表の浦野広明税理士(写真)が「インボイス導入中止・延期運動のたたかい」と題して講演。
浦野さんは「行政は基本的人権の尊重を達成する手段であって、その手段のために本来の目的である基本的人権をないがしろにしてはいけない」と述べ、「インボイスは取引先からの登録要請により、免税事業者が廃業するなど、肝心の国民の生命・財産・安全を守らないだけでなく破壊するもので、論外というほかない」と批判しました。
税制の基本法的位置づけにある税制改革法では、インボイスの有無にかかわらず仕入税額控除が認められる(10条2項)ことを紹介。また、法の適用に関する通則法3条から、慣習である現行の「帳簿方式」は法律と同等の効力があることも指摘し、「インボイスがなければ仕入税額控除ができないという規定は、税務署の願望の入った訓示規定にすぎない」と述べました。
浦野さんは「納税者はこれまでも収支内訳書、事業概況説明書、マイナンバーなど悪法を形がい化させてきた。インボイスがなくても仕入税額控除を否認されないという解釈の正当性を勝ち取ることが形がい化につながる」とたたかいの方向性も提起。「国民は選挙以外のあらゆるときにあらゆる形をとって民意の反映に努力するべきだ」とも述べ、たたかうことの重要性を訴えました。
(新聞「農民」2023.4.17付)
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