長谷川敏郎会長の国会傍聴記
酪農畜産危機で審議展開
衆院農水委
緊急要望書の農民の声を紹介しながら
3月8日に衆院農水委員会を終日傍聴しました。今国会での農水委員会の本格的論戦のスタートです。委員会に向け、2・14酪農・畜産院内集会を共催した農民連など4団体は、6日から衆参の全農水委員61人に陳情書を届ける緊急行動を行いました。
陳情行動で顔を合わせた議員から質問準備で農民連に資料要求をする動きもありました。
野党共同の論戦
力強く感じた
委員会質疑が始まると、酪農・畜産危機の打開を政府に求める質問のオンパレード。午前中は立憲民主党の金子恵美議員、近藤和也議員、山田勝彦議員が取り上げました。とりわけ、山田議員は、農民連が集めた畜産農家の個人要望書の切迫した声を紹介しながら、陳情書の第1項に盛り込んだ「酪農家の廃業・離農を回避するため搾乳牛1頭10万円の緊急経営支援を早急に実施せよ」と迫りました。
また、配合飼料高騰対策の枠外で苦労する自家配合飼料使用の畜産農家への価格補てんを求め、野村大臣は一定の補てんを検討していることを明らかにしました。「10万円の緊急支援」は明確に否定しませんでした。
午後は、国民民主党の長友慎治議員が肉用牛の経営危機など質問。共産党の田村貴昭議員は「飼料高騰は3000億円も畜産農家の負担になっている。政府の飼料高騰対策はこれまで1200億円だけ。飼料の高止まりの現状には有効でなく、このままでは経営は続けられない」と迫り、野村大臣は23年1〜3月期も特別補てんは続けること、4月以降は「新たな視点で取り組まなければならない」と答えました。
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山田議員 |
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田村議員 |
緊急対策の実現へ
さらに国民の声大きく
2・14集会では、「日本から酪農・畜産の灯を消さない」という国民世論を広げ、国会の議論に持ち込み、国政に役目を果たさせることを求めました。
野党が共同して酪農・畜産危機突破の論戦を張っていることは本当に力強いことですが、緊急対策を実現するためにさらに世論を大きくし与党を追い込まなくてはなりません。
(新聞「農民」2023.3.20付)
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