地域の助け合いの
真ん中に農民連あり
沖縄県農民連 東支部(東(ひがし)村)
高齢化で解散の危機に直面
会員増やして産直を継続へ
全国で担い手不足に悩んでいる組織が少なくありません。30年前から全国に向けてパイン(パイナップル)産直を切り開いてきた沖縄県農民連東(ひがし)支部も同様の悩みを抱えていました。
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東村のパイン |
昨年の夏、農民連ふるさとネットワークに、「(支部の)解散を考えている」と事務局の金城絹江さんから電話が入りました。「全国にパインを楽しみに待っている人がいるから」とこれまで生産をしながら、集荷や事務作業をこなしてきましたが「体力的に厳しくなってきた」と。毎年夏の収穫時期には、一輪車を満杯にして軽トラまで運び、箱詰めし、郵便局に持ち込んで発送・会計事務をしています。
その後何度か支部で話し合いを繰り返してきましたが、なかなか打開策が見つかりませんでした。そんななか、ある会合で「農協からのプレッシャーに耐え、自由な販売を切り開いた農民連産直はありがたかった」と創立メンバーである玉城忠男さんの発言がありました。「続けてきてよかった」と金城さん。地域に必要とされている組織だと改めて実感し、存続に前向きになってきたそうです。
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(左から)宮城良洋さん(パイン)、大城一雄さん(沖縄県農民連事務局長)、大村暁子さん(マンゴー)、金城さん(パイン)、山本孝子さん(パイン)、儀間さん(道の駅駅長)=道の駅サンライズひがし |
全国のみなさまに、今年も
おいしいパインお届けします
そこから思い切って出荷先の一つ、「道の駅サンライズひがし」に相談し、懸案だった箱詰め・発送業務を担ってくれることになりました。
2月16日に気温2度の東京から21度の那覇に行きました。それから高速道を北上して車で90分、沖縄県農民連東支部のみなさんと道の駅サンライズひがしで待ち合わせました。金城さんの入会の要請にも「大丈夫よ」と駅長の儀間紀章さん、支部の会員が6人となりました。
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収穫したパインを軽トラに運びます |
ふるさとネットの「パイン産直」もこれまで同様継続することが決まり、今年も全国においしいパインをお届けできます。地域の助け合いの真ん中に農民連があったことがとてもうれしかったです。
(農民連ふるさとネットワーク 渡辺満広)
(新聞「農民」2023.3.6付)
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