子育てしながらの就農に不安はあるが
「人間が生きていくのに食は欠かせない」
新規就農した泉佐野市の塩谷和泰さん(35)
大阪農民連・阪南支部協議会(山下博会長)は、自然農、新規就農の青年の入会が続いています。昨年暮れに入会した塩谷和奏さん(35)=泉佐野市=を紹介します。
塩谷さんは、外国語大学を卒業後、ゴルフ関係の会社に4年間勤務していましたが、親から「農業の仕事をやってみないか」と声がかかり青ネギ栽培農家で働いてきました。
親方の栽培技術や農業経営を学ぶ中で、早朝から農作業など厳しい面もありますが、自分の努力が実ったときの達成感などはサラリーマン時代には感じることができませんでした。「30代なら親方から独立して農業経営に挑戦できる」と思い、新規就農を決意しました。親方に話すと快く承諾してくれて、農業機械も譲ってもらいました。
昨年4月、認定新規就農者(49歳以下)として、国の支援(年間150万円、最長3年間)と新規就農者向けの無利子資金の融資制度(無担保・無保証人)も活用して、1町歩の畑と農業用倉庫を借りて、妻と2人で青ネギの契約栽培農家として新規就農しました。
塩谷さんは、自分が栽培する青ネギ畑のなかで「子育てしながらの就農は、自然災害など不安はありますが人間が生きていくのに食は欠かせない。第1次産業はなくなることはない」と前を向いて、力強く歩み始めています。
|
ネギ畑と塩谷さん |
税金や免税軽油、労災も活用して
親方のすすめもあって、「確定申告の相談や農業労災保険、免税軽油などの事業も活用して、農業経営にとりくみたい」と農民連に入会してくれました。
(大阪・阪南支部協議会 下村晴道)
(新聞「農民」2023.2.27付)
|