「農民」記事データベース20230123-1537-10

旬の味


 2022年はわが家にとって暗雲が立ち込めた1年だった。夏には胡桃(くるみ)の病気が農園全ての木に伝染し、不作だった昨シーズンの半分しか実入りがなく、なんともさみしい冬の出荷となった▼酪農も年の中頃、これまで高値で推移してきた子牛の市場価格が暴落。10分の1以下となり、それまで乳代ではコストを補えていなかった分を子牛の販売分でフォローしていたが、一気に経営難に陥ってしまった▼家畜に与える濃厚飼料の値上がりはウクライナ侵略、国際社会における日本の輸入品の買い負け、円安など原因が一つだけではないのが非常に混迷さを際立たせる。根本的な解決のためには輸入飼料、輸入肥料に頼り切る日本の農業を改めるほかはないと考える▼そして何より今、苦境に陥っている農家を救う手立てをまずは取るのが先決だ。正直、今予定されている補償は中途半端なものばかりである。農産物の再生産可能な価格保障、そして安心して生活できる所得補償を今すぐに実施しなければならない。

(K)

(新聞「農民」2023.1.23付)
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2023年1月

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