福島県農民連
政府・東電交渉と議員要請
原発推進・海洋放出ありきの
姿勢の転換を
福島県農民連は12月14日、政府と東京電力に対し、汚染水海洋放出や原発再稼働・新増設の中止を求めて要請を行い、40人が参加しました。また、衆参両院の経済産業委員にも要請を行いました。
命より利益優先の再稼働中止を
根本敬県連会長はあいさつで「原発再稼働・新増設は国民の命よりも原発の利益最優先、電力会社救済に他ならない」と批判。運動で跳ね返す決意を表明するとともに、誠意ある回答を求めました。
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国に要請書を手渡す根本会長(左) |
東電と経産省は“海洋放出ありき”の回答。福島大学地学団体研究会が提案している「広域遮水壁」は土砂もほとんど出さないと柴崎直明教授が説明しているにもかかわらず、経産省は「放射性廃棄物の土砂が出る」から「広域遮水壁は採用しない」と回答しており、まともに検討すらしていないことが明らかになりました。
新たな安全神話押しつけ許すな
原発の運転期間延長と再稼働・新増設の撤回については、「運転中止期間にも施設は劣化している」と指摘しても「世界最高水準の新規制基準を満たしているので安全」と強弁。参加者は「新たな安全神話の押しつけではないか。温暖化を盾に命を軽視し原発を押し付けるものだ」と重ねて指摘しました。
原子力損害賠償紛争審査会が策定した中間指針の見直しについても「県民は住む地域によらず被害を受けた。線引きせず全体を救済する指針を」と求めました。
また、県内多数の農地で、表面汚染が放射線管理区域以上にある実態を踏まえ、農地一筆ごとの検査や、条件不利地域の補償など、農民を守る手立てをとることを農水省に対して訴えてきました。
営農型太陽光発電に
農水省も「一緒に取り組んでほしい」
しかし、農水省は従来の回答の繰り返しに終始。「農家は働いている以上、放射線管理区域を超える線量の農地から逃れられない。各省庁に申し入れてもたらいまわしが続いている。せめて農水省が知恵を絞ってほしい」と重ねて要請しました。
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)への支援については「農水省の支援は他の省庁のものよりも使いやすい。ぜひ、もっと使いやすいものにしてほしい」と要望。農水省も「実績が増えれば、予算も増やせる。より良いものにできるよう一緒に取り組んでほしい」と前向きに回答し、参加者から拍手が起きました。
(新聞「農民」2023.1.16付)
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