「農民」記事データベース20230109-1535-12

無農薬無化学肥料で米・野菜を栽培

夫婦で就農、農民連に
新しい風吹かせる

千葉県佐倉市 小出農園
小出一彦さん まゆみさん


米作りの仲間ができて心強い

 小出一彦さん(58)・まゆみさん(57)夫妻は2017年2月に千葉県佐倉市で新規就農し、7年目を迎えます。

 畑では豆類やいも類、果菜類、葉物野菜、小麦など少量多品目の野菜を60アール作付け。田んぼ1ヘクタールではコシヒカリのほかみどり米や赤米、紫黒米、黒米など古代米を天日干しで作り、稲わらでしめ縄飾りなども作ります。作物は全て農薬と化学肥料を使わず、米や大豆からみそやしょう油、こうじなどを作って自給しています。

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赤米の稲穂と小出さん夫妻

 くず野菜を食べ、庭の草とりをする鶏を飼い、畑の微生物を大切にするなど、生物多様性を重視。竹やもみ殻、キノコの廃菌床なども肥料などに活用する循環型農業を実践し、年会費制で何度でも農業体験を受け入れる「こめまめクラブ」や地域の活動などで消費者との交流にも取り組んでいます。「ただ物を作って出荷するだけでは稼ぐ喜びはあっても、作る喜びは感じられないのではないでしょうか。消費者の顔が見えて喜んでくれる姿が見えれば、作る喜びも農業への誇りも持てると思います」

自分も何かの役に立ちたいと農民連に

 農民連印旛農民センターの菊間秋彦事務局長と出会ったことがきっかけで農民連にも加わり、県農民連の執行役員にもなりました。「野菜農家で研修をしていたので、野菜農家の仲間はいたのですが、米作りを相談できる人がいませんでした。菊間さんと知り合えて、とても心強かったです」

 「台風で米の乾燥ができない」など、困ったときには農民連の仲間が助けの手を差し伸べ、「色々お世話になっているので、自分も何かの役に立てれば」と農民連に加わりました。

 「小出さんの姿が農民連の原点に立ち返るきっかけになるのではないでしょうか」と菊間さんは期待します。

 佐倉市は新規就農者の支援を積極的に行っており、学校給食は全校自校方式を維持しているので、いつか給食で子どもたちに食べてもらえる機会ができるかもしれません。「農業の喜びを伝えるには学校給食への出荷と交流はいいきっかけになるはずです」と一彦さん。

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マコモダケの草とりをする子どもたち

 「小出さんたちを中心に新規就農者の相談窓口を印旛センター内に作り、頼りにされる農民連にしていきたい」と菊間さんも展望を語っていました。

(新聞「農民」2023.1.9付)
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2023年1月

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