政府は経営継続へ直接支援を11・30畜産危機突破 緊急中央行動危機乗り切る正念場
エサ高騰は農民のせいじゃない「このままでは年を越せない!」「政府は畜産経営を維持できる直接支援を!」「日本から畜産の灯(ひ)を消すな!」――飼料などの生産コストの高騰に苦しむ畜産農家の声が、東京・霞が関の農水省前に響き渡りました。農民連と全国食健連の共催による「11・30畜産危機突破 緊急中央行動」が11月30日に行われ、全国から130人余が参加。オンラインでも直接参加できない多くの畜産農家が、全国約70カ所のサテライト会場から参加し、抜本的な対策を政府に迫りました。
新聞・テレビでも大きく報道され農水省前集会には、千葉からは乳牛と豚が、埼玉からは鶏が“参加”。この日は自民党が全国の酪農政治連盟を党本部に集めて畜産・酪農対策委員会を開くなど、畜産・酪農対策をめぐる正念場のタイミングで、集会にはテレビカメラをはじめ多くのマスメディアが駆け付けました。農民連の長谷川敏郎会長が主催者あいさつ。「日本の畜産はいま最大の危機です。このままでは国民にとっても牛乳や肉、卵を食べられなくなる事態です。私たちが求めるのは畜産農家への直接支援です。エサの高騰は農家の自己責任ではありません。なんとしても再生産可能な政策を、国に求めていきましょう!」と呼びかけました。 東京大学大学院の鈴木宣弘教授が、オンライン録画でスピーチし、赤字補てんや在庫を海外援助に回すなど他国では当たり前の政策が日本では発動されないことを批判。「こんな時になぜ乳製品の輸入を続けるのか。防衛費より食料にこそ財源を投入すべき」と、熱意のこもったメッセージを寄せました。
コスト反映した乳価に値上げを畜産農家のスピーチでは、千葉県北部酪農農業協同組合の高橋憲二組合長が、「がまんの限界を超える状況です。食糧は命を支えるものなのに、なぜコストを反映した価格にならないのか」とリモート発言。北海道・白糠農民組合の阿部志津子さん、宮崎県の肉牛農家の〓山優作さん、群馬県養豚協会副会長の上原正さん、長野県の家畜獣医師の片桐勝則さん、埼玉県の養鶏農家の浅子紀子さん、千葉県の養豚農家の山赴`貞さん、千葉県の酪農家の金谷雅史さんがマイクを握りました。
政党からは、日本共産党書記長の小池晃参院議員があいさつしたほか、れいわ新選組のたがや亮衆院議員の秘書がメッセージを代読。立憲民主党の石垣のりこ参院議員、社民党党首の福島みずほ参院議員の各氏からはメッセージ動画が届けられました。 全国食健連事務局長の原英彦さん、新日本婦人の会会長の米山淳子さん、島根県酪農協議会会長の西谷悟郎さん、全国商工団体連合会常任理事の牧伸人さんが、連帯あいさつをしました。 (各氏のスピーチ要旨は2面)
農水省に要請 今すぐ直接支援し、酪農家守れ集会後、参加者は農水省に抜本対策を求めて要請しました。各地の参加者から次々と切迫した現状が語られましたが、こうした緊迫した現場の実態をまったく顧みない農水省の回答に、参加者から怒りの声が噴出。「今すぐにでも支援がなければ業界が丸ごとなくなる危機的事態だとわかっているのか。再生産できるよう、国として責任を果たすべきだ」と、求めました。
畜産農家の「直訴状」第3次
長谷川会長、阿部さん、〓山さん、上原さんら中央行動代表団は農水省の藤木眞也政務官(写真中央)に要望書の第3次分500人分を提出し懇談。参加者が苦境を訴え、長谷川会長は「現場の声に応えて緊急の対策を早く出してほしい」と求めました。 |
[2022年12月]
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