「農民」記事データベース20221205-1532-09

旬の味


 昨今の世界情勢から、明るい話題が中々出てこないのは仕方のないことではある。しかし、下を向いてばかりではいられない。厳しい状況だからこそ、現況を正しく理解し、今後の方向性を考えて行動していかなければならない▼畜産では穀物価格の上昇から、青刈りトウモロコシが推奨されている。高カロリーかつ嗜好(しこう)性が高く、収量も採れる飼料用トウモロコシは畜産業界にとっては救世主だ▼問題は近年の獣害の増加である。野生動物にとってもご馳走のトウモロコシを安易に畜産農家が一斉に作ってしまうと、まず、野生動物の餌になる。そして栄養を蓄えた動物は、さらに繁殖し、被害を拡大させることにもつながりかねない▼山の中で大規模造成された農地などでは、周囲を柵で囲うのも一苦労で、費用もそれなりにかかる。実害がわかりづらいことから、無意識に野生動物の餌付けになっているケースもみられる。周囲の環境に気を配りながら新たなチャレンジをしなければ理解は得られないだろう。

(T)

(新聞「農民」2022.12.5付)
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2022年12月

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