「農民」記事データベース20221128-1531-07

第25回定期大会へ向け
仲間ふやし進む

 農民連は1月の第25回定期大会に向けて、仲間づくり運動に取り組んでいます。畜産経営緊急要望書に取り組むなかで仲間を増やした宮城農民連、インボイスの学習会で会員を増やした佐賀県農民連の経験を紹介します。


畜産農家に呼びかけ要望書運動

訪問・対話の中で入会者

運動を発展させ農政転換の力に
宮城

 11月10日に都内で行われた第2次緊急要望書提出行動に宮城農民連から110人分を農水大臣あてに提出しました。

 酪農、肥育、繁殖、養豚、養鶏すべての畜種で経営危機に陥り、畜産事業存亡の危機であると一人一人の畜産農家が訴えた要望書であり、農水省は、畜産農家がこれ以上減少しないように緊急に対応策を具体化すべきです。

 10%の要望書を集めて大臣に

 宮城県は米どころですが、肉用牛で全国4番目、酪農で6番目、養豚で10番目と畜産県でもあります。現在約3200戸ががんばっているので、せめて10%の要望書は集めて大臣に訴えたいとの思いです。

 昨年の宮城の米価は前年比1俵あたり3100円も買いたたかれ、1俵出荷するのに5千円札を張り付けての出荷となりました。県内95%の自治体が米価補てん対策を実施しましたが、加えての畜産経営の大危機です。このままでは農村地域から畜産農家が消えてしまい、やがて稲作農家も消えてしまうという危機感が地域の関係者の共通認識となっています。

 一軒一軒訪問し対話し署名集め

 9月15日に農民連本部から緊急要望書が届き、さっそく300枚を印刷。畜産農家のことは畜産農家自身が詳しいので、畜産農家会員のところへ手配しました。えさでも他の物財費でも価格安定基金制度、マルキン制度などはありますが、それ以上の経費増で価格転嫁できない農家は、収支悪化の一途であり、すべての畜産農家に呼びかけて、要望書提出運動を広げようと対応しました。

 9人の畜産農家会員に20枚、30枚と依頼し、多い人では一人25人分の要望書を集めました。1軒1軒訪問し、対話して署名してもらい、大変でしたが、養豚で2人、肥育32人、繁殖48人、酪農18人、養鶏2人、人工授精師1人、他には酪農協の職員3人、森永乳業のえさ屋さん2人、最近畜産を廃業した農家2人の方々が緊急要望書を農民連に託してくれました。

 今年の税金申告 農民連と一緒に

 そのなかで、肥育140頭、繁殖30頭、水田8ヘクタールの経営の方は、税理士に依頼して税金申告をしていましたが、農民連の税金の話を聞いてくれ、対話のなかで、令和4年分の申告から農民連と一緒に行うことになりました。『税金ノート』を2冊買ってもらい、入会してもらいました。

 まだまだ多くの畜産農家を訪問して緊急要望書運動を発展させ、農政転換の力としたいと決意しています。

(宮城農民連事務局長鈴木弥弘)


「インボイス知りたい」と学習会

参加した読者が仲間入り

大会向け“さらに拡大を”と決意
佐賀

 佐賀県農民連は、役員・会員の高齢化、生産者の減少により、何年も集まりをもつことが困難な状況にありましたが、その反省のもと、10月25日に数年ぶりに学習交流会を開催することができました。

画像
インボイス学習会の様子

 きっかけになったのは、和歌山で長く議員としてがんばってこられた方が、お連れ合いの実家である白石町に2021年6月から定住され、訪ねて行ったところ、農民連会員、新聞「農民」読者になることを快諾していただいたことからです。いちご農家になるとのことでした。

 長谷川敏郎会長の援助も受け、これを機に久しぶりに会員で集まり、学習交流会を開催しよう!と話が進み、25日の集まりが実現しました。

 死活問題なのに詳しい説明なし

 来年10月から施行されるインボイス制度は、農民や中小零細業者にとっては死活問題であるにも関わらず、国はこの問題についてほとんど詳しい説明をしていません。

 「インボイス制度が始まったらどうなるの?」「学習したい」との声が会員の中からも出ていたので、さっそく税金対策部責任者の来住誠太郎さんに来ていただいての学習会を決定。当日は、会員と読者7人が参加し、読者だった参加者の一人が「インボイス制度の中身を知れば知るほど弱い者いじめの制度だということがよくわかった。もっと勉強したい」と会員になってくれました。

 その後、来年1月の第25回定期大会までの拡大目標を決めて、事務局体制も新しく補強しました。行動すれば変化は生まれると、今後は白石町でインボイスの学習会を開き、大会に向けて、会員と読者の拡大をしていこうと決意を固め合いました。

(佐賀県農民連 釘宮三也子)

(新聞「農民」2022.11.28付)
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2022年11月

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