福島県北農民連
高騰する飼料に悲鳴
酪農家を訪問 深刻さ痛感
11月13、14の両日、全国農民連の藤原麻子事務局長と福島県北地区の畜産家を訪ねました。
福島県北地区は畜産業が盛んではありません。今畜産界で騒がれている問題はないと感じていました。福島県北農民連会員の中で畜産を営んでいる会員は、故佐々木健三さん(農民連元会長)が営んでいた「ささき牧場」の1軒のみです。今は、長男の佐々木光洋さんが引き継いでいます。
「ささき牧場」ではちょうど牧場から牛舎へ牛を入れる作業をしているところで話を聞きました。
光洋さんは「うちは自営で工場を持って直接消費者に販売し、カフェも直営しているので他の畜産の人よりまだマシな方かな」「でも飼料などが高騰しているのは問題で国の政策を変えないといけないよね」と話しました。
藤原さんが「一番今求めたいことは」と聞くと、佐々木さんはしばらく考えて「これから畜産で頑張っていく世代には国が応援することが必要ですね」と言葉を振り絞りながら話してくれました。緊急要望書に署名もしてくれました。
福島市議の佐々木ゆうさんに案内いただき、市内の酪農家も訪問しました。玄関口で「家族がコロナに感染した」とのことで、趣旨だけを説明。数時間後、緊急要望書に署名したと電話があり「玄関のポストに入れておくので取りに来て」と連絡があり当日の夕方に取りに行きました。
翌日は元会員で今は新聞「農民」読者の酪農家を訪問しました。藤原さんもよくご存じの方で話が弾みました。畜産の危機的状況で訪問したことを伝え、話を聞きました。
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対話する藤原事務局長(左) |
「元々、北海道のマイペース酪農を参考に購入飼料は少なくしてきた。しかしこれほど飼料高騰が続くともたない。子牛の価格もこんなに下がっているんだ」と伝票を広げて説明してくれました。
また「乳価が10円上がってもわりにあわない」と話してくれました。藤原さんが「また農民連に入って一緒にがんばっぺ!」と話すと「後継者の息子に言って」と。畜舎で作業していた息子さんに「農民連でまた一緒にやんねえがい」と話すと快く「入ります」とうれしい返事がきて農民連に加入しました。
今回、畜産関係者に話を聞き、地域のあらゆる業種に目を向けていなかったことを反省するとともに、この畜産の危機を役員・会員と共有して学習し行動しなければならないと思いました。
(福島県北農民連事務局長 服部崇)
(新聞「農民」2022.11.28付)
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