「農民」記事データベース20221121-1530-11

旬の味


 2022年、自然災害、ウクライナ侵攻、物価高騰など厳しい状況が増し、わが身も高齢者の仲間入りをして気持ちが萎(な)えることもしばしばでした。田んぼの用水が不足し、除草剤に頼らず抑草するための深水管理も思うに任せずヒエまみれのほ場も…▼登熟期の9月後半の時ならぬ高温で早生(わせ)品種では穂先の水分が一気に飛び、穂首は登熟していないままでの収穫というかつてない出来事もありました▼それでも自然の恵みに生かされている有り難さを実感することもありました。冬の田んぼの乾燥が不可能な当地での悩みの雑草クログワイ。田畑輪作を取り入れ対策するも難敵です。相当の減収になります▼ところが野生のカモが相当数飛来してクログワイの塊茎(かいけい)を食べ尽くしてくれたのです。畦の草刈りと水を張っておくという稲の生育に必要なことをするだけでクログワイ退治、酸素供給、肥料供給までしてくれました。改めて、自然生態系を維持し次世代につないでいく農政であってほしいと願う初冬です。

(蛙)

(新聞「農民」2022.11.21付)
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2022年11月

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