この人
10月から農民連本部に
村上 結(ゆい)さん(41)
=広島市出身=
幼い頃の田植え・稲刈りが
心に残り、農業に関心抱く
10月から農民連本部に新しい仲間が加わりました。広島県広島市出身の村上結さん(41)です。新聞「農民」の編集部を中心に活動予定です。
村上さんは野球少年で甲子園を目指して広島県立西条農業高校に入学しました。その後静岡大学農学部の人間環境科学科に進学しました。「子どものころ、母親の実家で田植えや稲刈りをしていたことが原体験として残っていたこともあり、農業高校から、人間活動と農業と環境を総合的に学べる静大農学部へと進むことを選びました」と話します。
24歳から15年ほど自動車関連工場で働きましたが、1週間ごとに日勤と夜勤が交替する生活は精神的負担が大きく退職。児童相談所などに勤める中で、「社会そのものを変えないと子どもたちも救えない」と社会変革の運動に参加します。
今の社会の“おかしい”を伝え
ともに声をあげていきたい
その運動の中で農民連の長谷川敏郎会長宅を何度か訪問し、田植えの体験や里山の見学などを経験。「当時はアグロエコロジーという言葉は知りませんでしたが、長谷川さんの実践する循環型農業や『特定の農法を一律に全国でやればいいというのは間違っている。地域ごとに風土や文化があるのだから、そこに合った持続可能なやり方をすればよい』という話に感銘を受けました」。
転職を決意した村上さんですが、真っ先に長谷川さんの顔が浮かび相談しました。「もともと運動をするなかで、食べ物がないと運動もできないと、食の重要性を感じていました。相談をしたところ農民連に声をかけていただきました」
村上さんは農民連全国代表者会議(10月6日)に参加した後、畜産危機への議員要請や千葉の酪農家への訪問などにも出向き、議員要請では新聞「農民」を1部拡大する成果もあげています。
「千葉の酪農家に『畜産だけでなく、野菜農家なども資材高騰でも値上げできない。賃金が上がらないから値上げできない。賃金が上がる経済構造にしなければ再生産ができる金額は得られない』と言われ、自分たちのことだけではない考え方に感銘を受けました。先日学習したミニマム・アクセス米など今の社会の『おかしい』ところを広く国民に伝えて、共に声をあげていけるように努めたい」と奮闘する決意です。
(新聞「農民」2022.11.14付)
|