今すぐ抜本的な支援強化を
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野村農水大臣(中央)に要望書を手渡す長谷川会長(左から3人目)ら |
この要望書は、飼料や燃料など生産コストの高騰で危機に直面している畜産への抜本的な支援強化を求めて、畜産農家一人一人が個人で署名するもので、いわば畜産農家の「直訴状」です。
要請には、自らも和牛の繁殖農家である長谷川会長のほか、養豚農家の上原正さん(群馬農民連副会長、群馬県養豚協会副会長)と、山赴`貞さん(千葉県農民連執行委員)が参加しました。
養豚農家の山浮ウんは、「エサ代を払うと何も残らない現状なのに、現在もさらに値上がりが続いていて、今後が本当に不安だ。国として対策をとってほしい」と要望。母豚1300頭という比較的大きな養豚会社を多くの仲間と共同で運営している上原さんは、「飼料などが高騰し、今年は億単位の赤字になるだろう」と述べ、現行では支援策のない自家配合(自分で複数の種類の餌を仕入れ、混ぜ合わせる)をしている農家にも支援を行うよう訴えました。
野村大臣は、「自家配合への支援問題では、牛の肥育農家から非常に強い要望が届いている。豚もなんですね」と応答。
また、長谷川会長が、酪農では畜産クラスター事業を使って規模拡大した農家が、これから返済が始まるという今になってエサが高騰し、子牛価格は暴落するという現状にあることに触れると、野村農水大臣も「確かに規模拡大をした酪農家ほど厳しいと聞く。とくに乾燥牧草が高騰している。やはり自給飼料が大切だ」と述べ、「畜産農家が今をなんとか乗り越えるための何らかの対策が必要だ。いま補正予算の編成中で、具体策があと少しでまとまるので待ってほしい」と応じました。
同じく日本共産党の田村貴昭衆院議員は、「自家配合への支援については、既存の飼料価格対策で難しいのであれば、別の制度を設けてでも支援する必要がある。前向きに検討を」と求めました。
長谷川会長は重ねて、「畜産農家は今まさに経営が立ち行かなくて、毎日離農が相次いでいる状況で、今支援がなかったらもう終わりというほどの危機だ。ぜひ対策を」と訴えました。
この日までに届いた8県、90人分を第1次として提出。農民連では今後も全国の畜産農家に要望書への参加を呼びかけます。
※要望書は農民連のホームページからダウンロードできます。畜産農家であれば規模の大小にかかわらず、どなたでも署名できます。農民連本部まで原本を郵送でお送りください。
この飼料高騰を受け、8軒あった酪農家のうち4軒がつい最近廃業していることが判明。西山さんは「これほど大きなショックを受けた訪問活動は初めて」と言います。
がんばっている農家も「エサ代が3倍近くになった」「もう本当に参った」と対話に。西山さんは「この要望書は本当に情勢に合った呼びかけだ」と、さらに広く酪農家を回ることにしています。
東京・清瀬市の酪農家(左)と対話する東京農民連の武山さん(中央)ら |
ほぼ初対面でしたが、要望書の取り組みを話すと、「エサが高くてやっていけない。電気代も高い」「いつやめようか、家族で話し合っている」と、どの家でも苦況が語られ、最後に行ったお宅では、「国のやりかたはおかしい」と、その場で要望書を書いてくれました。
[2022年11月]
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