農民運動の聖地
「宗吾霊堂」(千葉・成田市)で
ひとり芝居
「義人伝説−風説 坂上田村麻呂」
現代の私達に平和を問う
稲刈り終わった農民連会員が大勢観劇
10月2日、千葉県成田市にある鳴鐘山東勝寺「宗吾霊堂」で「ひとり芝居 義人伝説――風説 坂上田村麻呂」が上演され、劇団前進座の俳優である渡会元之さんが出演しました。
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上演後、渡会さん(左)に花束を渡す千葉県農民連の小倉毅副会長 |
凶作と重税に苦しむ農民のために将軍へ直訴し、処刑された義民、木内惣五郎(佐倉宗吾)の霊が祭られている「宗吾霊堂」はまさに千葉の農民運動の聖地です。そこで行われたこの一人芝居は、平和で争いのない世の中への願いがテーマです。
「軍隊を持たない、と言う決まり事を破ろうとする者がいる。その事に“あのお方”はお怒りだ」と老人の語りからはじまります。
“あのお方”坂上田村麻呂は、蝦夷(えみし、現在の東北)を討伐した人物として歴史に名前を残していますが、自らの出自と争いに苦しんでいました。蝦夷討伐の闘いで命を落とした若武者の亡がらを抱きしめて「死ぬな」と叫ぶシーンでは胸が締め付けられる思いでした。
ロシアのウクライナ侵攻や改憲への動き、ヘイトクライムなど、戦争と差別など現代の私たちに「平和」そのものが問われているようでした。
主人公の坂上田村麻呂はこの東勝寺を建立した人物であることも演者の渡会さん同様、感慨深いものがありました。
千葉県では、ちょうど稲刈りも終わった時期でもあり、千葉県農民連関係者で全体の3分の1を占める参加者でした。
(千葉県農民連 谷川聡子)
(新聞「農民」2022.10.31付)
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