「水田活用交付金見直し」の
見直しを求める意見書
庄内地方の全自治体が提出
山形
農民の声と農民連の
運動が議会を動かした
山形県の庄内農民連は9月に、「『水田活用の直接支払交付金』の見直しを中止し、すべての農家への支援策強化を求める請願」に取り組み、東田川郡庄内町と三川町に提出しました。
無所属議員から異例の紹介志願
事前に全議員に請願書の案と新聞「農民」4月11日付のコピーを郵送したところ、そば転作が盛んな中山間地域に在住のスルタン・ヌール庄内町議(無所属)から「詳しく話を聞かせてほしい」と連絡がありました。趣旨を説明し終えると「ぜひ紹介議員になりたい」と申し出されびっくり。議員自らの紹介志願という異例の展開に、採択への期待が高まりました。
審査では「そばや大豆に転作したりハウスを建てて花きを栽培したりしているところに水張りは無理だ」「現場の実態を反映している請願だ」などの賛成意見が次々と出され、異論は皆無でした。
中には「これからの日本の農業をどう考えているのか、農民連の見解を聞かせてほしい」などという異例の質問が出されるほど、請願に議員から強く共感が寄せられました。
最後は庄内町と三川町で採択
審査の結果、両町とも全会一致で採択されました。
今回請願を提出しなかった鶴岡市では、3月議会で議員発議で意見書を政府に提出しており、また酒田市と遊佐町は6月議会で農協からの請願を採択して政府に意見書を提出しているため、庄内地方すべての議会から政府に意見書が提出されたことになります。
一つの農政問題について庄内地方すべての議会から意見書が出されるのは異例のことです。農民の声と農民連の運動が議会を動かしました。
(新聞「農民」2022.10.31付)
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