「農民」記事データベース20221024-1526-08

奈良県農民連

直売所みのりの里しらにわ
1周年記念イベント開く

「これからの食と農の未来について」
料理研究家 枝元なほみさん講演


食と農を守る活動を広げるために
生産者と消費者の絆いっそう強く

 生駒市長も期待のあいさつ

 昨年、奈良県生駒市でオープンした農民連直売所「みのりの里しらにわ」。オープンからちょうど1年を迎えた10月1日、市の北コミュニティセンターISTAはばたきで1周年記念イベントを開催しました。「これからの食と農の未来について」をテーマに料理研究家・枝元なほみさん講演会と、生産者・消費者を交えたトークセッションを行いました。

 開催にあたっては小紫雅史・生駒市長があいさつにかけつけ、地元の農業・食の安全につながる「みのりの里」の発展に期待の声を寄せました。

 奈良県農民連の森本吉秀会長は「生産者と消費者が『みのりの里』でつながり、食と農を守る活動を広げるための絆を一層強めてほしい」とあいさつしました。

 講師の枝元さんは料理研究家として料理についての本などを出版するかたわら、脱原発やホームレス支援などに取り組んでいます。一昨年から は、売れ残って廃棄されるパンを再販する「夜のパン屋さん」という活動も行っています。

 食べ物を考え世の中変える

 第1部の講演会で枝元さんは、食べることと生きることの近いことが 重要であり、生産者・消費者がつながっていくことの大切さを訴えました。自身の活動や種子法・種苗法、原発問題にも触れ、「子どもたちの世代に負担をさせない。ちょっと踏みとどまって、子どもたちが食べること・生きることに困らない未来を想像することが大切。選挙は数年に1度しかないが、買い物や何を食べるかを考えることでも世の中を変えていけるのでは」と話しました。

画像
講演した枝元さん

 白菜や人参を無駄なく使う実演も行いながら和やかな雰囲気での講演となりました。最後に枝元さんは、大都市が集中的に発展する世の中ではなく、ちいさな地域、一粒一粒が自立し集まって世の中ができる、ぶどうのような世界を作ることが大切ではないかと問いかけました。

トークセッション
かしこい直売所の使い方<

 

おいしい野菜の食べ方
安全な食に対する取り組み

 地域に根ざした直売所の発展を

 第2部のトークセッションでは、消費者代表で生駒市在住の米田裕子さん、「みのりの里」にも出荷をしている生駒市の生産者の山本昌史さん、平沢大さん、直売所の杉村出店長が登壇し、枝元さんとテーマに沿ったトークセッションを行いました。「かしこい直売所の使い方」「おいしい野菜の食べ方」「安全な食に対する取り組み」の3つのテーマでトークを繰り広げました。

画像
枝元さん(中央)を中心に熱く語り合いました

 それぞれの立場からの発言に、100人を超える参加者はときおりメモをとり、感心した様子で聞き入っていました。

 イベント終了後にはマルシェも行い、ほぼ完売の大盛況。地域に根ざした直売所として発展していく力を感じられるイベントとなりました。

画像
マルシェも完売の大盛況

 参加した方からは、「食を通じて社会に働きかけることができる話がわかりやすかった。食の大切さ、地域との関わり、沢山の学びがありました」「食への意識が高まり、フードロス問題など興味深い話が多かった」「生産者、消費者、店長さん、調理者の立場の枝元さんの声をいろいろ聞けてとても良かった」などの声が寄せられました。

(新聞「農民」2022.10.24付)
ライン

2022年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2022, 農民運動全国連合会