「農民」記事データベース20221024-1526-02

インボイス実施中止・延期求める請願

山形・庄内
5自治体中4つの議会で採択

関連/物価高騰対策、消費税減税とインボイス中止を求める大集会

 山形県の庄内農民連は9月、「『消費税インボイス制度の実施中止(延期)を求める意見書』を政府に送付することを求める請願」に取り組み、酒田市と遊佐町には酒田民主商工会(民商)と共同で、三川町には消費税廃止田川地区各界連絡会(各界連)の一員として、庄内町には田川各界連と酒田民商との共同で提出しました。


農民連と民商・各界連が共同提出
保守系議員も賛同

 不安や懸念続出 委員会が一変

 今回、請願をなんとしても通すために、7月の庄内農民連執行委員会で酒田民商に共闘を呼びかけることを決定し、酒田民商もそれに応えたため、史上初めて共同での請願提出となりました。

 庄内町では紹介議員の小野一晴町議(無所属)の「延期では意味がない」との強い意向で「中止」を求める請願として提出しました。

 小野町議は町内の団体・企業を訪問して聞き取り調査を行い、その結果を委員会審査で報告しました。

 「今のところ会員から反対の声はあまり聞こえてこないが、制度の内容が知られていないから。申請の締め切りが近づき内容が知れ渡れば状況は変わるだろう」(商工会)、「インボイスが導入されれば会員が申告義務を負わされ、事業を継続することが困難になる」(シルバー人材センター)など、各団体・企業からの不安や懸念が伝えられると委員会の雰囲気は一変。委員会で全会一致、本会議では賛成多数で採択されました。

 酒田市・遊佐町・三川町には「延期」を求める請願として提出しました。

 中止を延期に切り替えて採択

 酒田市では3会派の議員が紹介議員に名を連ねました。農民連の請願が複数の会派から紹介を受けたのは史上初めてのことでした。過半数は13人で3会派の議員は11人なので、開会前から「採択目前」の状況でした。

 そこに、酒田民商の渡部実会長と伊勢守副会長が、同じ地区在住の保守系市議に請願への賛同を求めて働きかけ、賛成を確約してもらうことに成功し、さらにその市議が他会派の議員を説得。これが決定打となり、野党系会派と一部保守系市議の賛成多数で採択となりました。

 庄内農民連の請願が同市議会で採択されるのは昨年の「米価下落対策」に続いて2回目、酒田民商の請願採択は史上初めてのことでした。

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庄内町議会での採択を喜ぶ梶事務局長(右)ら

 三川町では、6月に「中止」を求める請願として提出し継続審査とされたため、一旦それを取り下げ、改めて「延期」を求める請願として紹介議員も変更して提出し、賛成多数で採択されました。

 一方、遊佐町では委員会傍聴・趣旨説明のいずれも許可されない中での審査となり、紹介議員1人だけの賛成で不採択となりました。

 鶴岡市が6月議会で「延期」の請願を採択しており、庄内地方の5自治体のうち4つの議会から「中止」「延期」を求める意見書が政府に送られることになりました。

 庄内農民連の梶昇司事務局長は「庄内町が『中止』の請願を採択したことと、酒田市で採択になったことが大きい。酒田で消費税関連の請願が採択されたのは史上初めて。中小業者・農民の声が民商との共闘で大きく議会を動かした歴史的な成果だ。インボイスを本当に止めるために運動を広げたい」と感想と決意を述べました。


物価高騰対策、消費税減税と
インボイス中止を求める大集会
会場 東京・芝公園集会広場(JR「浜松町駅」から徒歩12分、都営地下鉄三田線「芝公園駅」から徒歩2分、「御成門」から徒歩2分、都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」から徒歩5分、都営地下鉄大江戸線「赤羽橋」から徒歩2分)
日時 11月6日(日)午後1時〜4時
主催 全国中小業者団体連絡会
内容 国会議員あいさつ
   業界団体から発言
   集会アピール採択など
 集会後は東京駅付近までサウンドデモを行います(午後4時デモ終了予定)
問い合わせ 全国中小業者団体連絡会(全商連内)電話 03(3987)4391

(新聞「農民」2022.10.24付)
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2022年10月

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