千葉県母親大会
食と農の分科会
農民連の女性部員と
米農家が助言者に
農業は自然が相手―
持続可能な農業へ、消費者と共同して
第64回千葉県母親大会が9月17日に、松戸市で、オンライン併用で開催され(写真)、千葉県農民連女性部あらぐさの会からも10人が参加しました。
今年の分科会は、「迫りくる食料危機――日本の自給率はこれでよいのか」をテーマに、農民連女性部員で船橋市の野菜農家の斉藤教子さんと、有機米の学校給食に取り組むいすみ市の米農家の矢澤喜久雄さんが助言者となりました。
斉藤さんは、新聞「農民」号外を資料にしながら、水田活用交付金のカットや、戦後、日本の学校給食にパンを導入し日本人の舌を変えることで、日本を余剰小麦の大輸入国へと変えたアメリカの長期戦略などを紹介。
「農業経営には厳しい状況が続いていますが、持続化給付金などコロナの減収を補う政策や学校給食への補助や無償化など、私たちの運動で希望の湧くような新たな流れもおきています」と語り、「農業は自然が相手で、工業製品のように短期間ではできません。消費者にもその大変さを理解してもらいながら、一緒に運動をすすめていきましょう」と訴えました。
国は公共調達に本気で取り組め
矢澤さんはいすみ市が有機米100%の学校給食を実現するまでにいたった経緯や苦労などを話しました。また、環境保全型の農業を広げ、生物多様性を取り戻すことで、野生のコウノトリをいすみ市にも呼び戻そうというプロジェクトを市が立ち上げ、市と生産者の協力で実現させました。市の認知度もあがり、いすみ市に移住する小さいお子さんを持つ家族もいるそうです。
矢澤さんは最後に、「国も『みどりの食料システム戦略』に本気で取り組むなら、学校給食や病院食、老人ホームなどの公共調達に取り組むべきです」と語りました。
資料と一緒に、新聞「農民」と購読申込用紙を配布したところ、さっそく参加した方から購読の申し込みがありました。
(千葉県農民連 小島朋子)
(新聞「農民」2022.10.17付)
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