福島県二本松市
新規就農者のつどい開催
悩みや経験、思いを交流
切実な要求が次々と出される
福島県二本松市の岳下住民センターで9月18日、「新規就農者のつどい」が開催されました(写真)。二本松市内の新規就農者や農家、県・市職員、福島大学の学生、県議会議員や市議会議員など30人が参加しました。主催は同実行委員会です。
実行委員長を務めた二本松市の新規就農者・菅野大地さんは「つながりが限られた人たち、新規就農者の苦悩を共有したいと思ってこの集いを開催しました」とあいさつ。悩みや困難を抱えながら農業をがんばっている若者を中心に、思いや要望を語りました。
まずは新規就農者が自らの経験を報告。ミニトマト農家の安部一成さんは資金不足について語り、ドカティ有子さんは「1年目は失敗しました。今年は何とかなったが、補助金がなかったら大変。新規事業はできない。地域や近所の方に支えられていると感じている」と話しました。
喜びや大変さをみなで語り合う
その後3つのグループに分かれて自己紹介。喜びや大変さを語り合う中で、新規就農者から「次世代人材投資事業の給付金を5年より長く出してほしい」「パイプハウスの補助率を上げてほしい」など、切実な要求が次々と出されました。
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グループに分かれ話し合いました |
また、大橋沙織県議から「県内で毎年、新規就農する人が200人くらいいるが、5年後まで続けられる人は全体の7割だ」と報告がありました。
福島県農業普及所の山崎優美子さんは、「参加して、県として反省点がいっぱいだ」と話し、二本松市農政課の佐藤興一さんは「たらいまわしにならないよう、ワンストップで解決できるようにしていきたい」と感想を述べていました。
要望を実現して青年部活性化に
安達地方農民連の佐藤佐市会長は「『新規就農者同士の飲み会などはあるが、こうした話をする機会は少なくやってよかった』と参加者から感想が寄せられました。出された要望を一つでも実現して、地域の青年部の活性化につなげたい。私たちが、いずれやめた後も、地域と農業を受け継いでいけるようにしたい」と話していました。
(新聞「農民」2022.10.17付)
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