第25回大会に向かってダッシュ!
農民連全国代表者会議2022
3年連続の増勢めざして
仲間づくりに全力あげよう
会員と読者拡大 独自追求でこそ
国民の厳しい批判に包囲された岸田・自公政権を退陣に追い込み、いまこそ平和と暮らし、農業・食料、地域を守るたたかいを巻き起こそう――。農民連は10月6日、全国代表者会議を開き、国会議員会館とオンラインの併用で170人が参加し、来年1月17、18の両日に開かれる第25回定期大会を増勢で迎えるための仲間づくり運動に全力をあげようと決意を固め合いました。
長谷川敏郎会長が開会あいさつを行い、憲法違反の安倍元首相「国葬」の強行、統一協会の自民党支配へのあいまいな態度、改憲へ前のめりの姿勢、軍事費倍増など、悪政の暴走に突き進む岸田政権を厳しく批判。
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開会あいさつをする長谷川会長 |
「農業経営と国民の食料危機がかつてない事態にあり、岸田政権が国民の支持を失って政権維持が困難に直面しているいまこそ農民連の出番だ」と述べ、農民の多様で切実な要求を実現する運動と、食料自給率を向上させる政治を求める運動を結んで大きく発展させ、草の根からの市民と野党の共闘を作りあげ、総選挙に追い込んで政権交代を実現するために全力をあげることを力説しました。
来年の第25回大会を3年連続で会員と新聞「農民」読者を増勢で成功させるかどうかは、農業・食料危機を打開し、農民経営と国民生活を守るたたかいの大きなうねりと高まりをつくり出すうえで決定的に重要だと述べ、「仲間や新聞を増やす活動はそれ自身独自に追求しなければ前進はない」と強調しました。
食料・農業危機突破する運動を
藤原麻子事務局長が常任委員会報告。
秋の運動の柱として、(1)憲法改悪・戦争する国づくり阻止、「国葬」強行や統一協会と自民党の癒着問題などで岸田政権を追及し、退陣に追い込む。消費税減税・インボイス中止を実現させる、(2)全ての都道府県と地域で農業と食料の危機打開、農政転換を求める草の根からの運動をまきおこす、(3)すべての組織が資材高騰対策、生産費に見合う農産物価格の実現、災害対策などを、広範な農民や農業団体などと力を合わせて政府、自治体に要求する、(4)「ものを作ってこそ農民」を合言葉に、アグロエコロジーを踏まえた地域からの食料増産運動を実践する、(5)第25回大会を3年連続の増勢で迎えるために、それぞれの組織の拡大目標を決め、みんなの力で成功させる――ことを強調しました。
食料・農業危機を突破するために、農業・食料、地域をテーマに、全ての組織で多様な形態で学習や集い、運動を展開するとともに、全国食健連の秋のグリーンウエーブ行動を全ての地域で具体化し、自治体やJAなどへの訪問・対話、要請署名への協力を呼びかけることを訴えました。
第25回大会に向けた組織拡大と運動の強化のために、10月7日から大会までの期間を「第25回定期大会を成功させる仲間作り期間」とし、全ての組織と会員が全力をあげることを提起しました。
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25回大会めざして心一つに「がんばろう!」 |
さらに「仲間作り期間」の目標について、都道府県連と単組が自ら決めた会員と新聞「農民」読者の拡大目標を達成することを強調。大会までの目標を決めて、その実現のために全力をあげ、全国的には会員で現勢の3%増、新聞「農民」読者で5%増の達成をめざしながら、「全ての都道府県連と単組が必ず成果を上げて大会成功をめざす取り組みに合流しよう」と呼びかけました。
いまこそ農家経営と
地域守るたたかいを
営農守る要請を政府と自治体に
討論は23人が発言。冒頭、「ホルスタイン雄子牛1頭が110円。売れずに戻ってくるが安楽死させざるをえない」(北海道・岩崎和雄さん)、「飼料代・電気料金の相次ぐ値上げ、豚熱などで養豚は自助努力だけではやっていけない」(群馬・上原正さん)など、畜産・酪農の厳しい実態が出されました。
農民連は「畜産農民個人要望書」に取り組んでいます。「畜産農家を1軒1軒訪ね歩き、要望書で対話して『農民連と一緒に危機を打開しよう』と仲間を増やしている」(宮城・鈴木弥弘さん)、「年末にあらゆる支払いが押し寄せ、このままでは年が越せない。45歳の畜産農家が命を絶った。『自殺せず要望書を出してたたかおう』と呼びかけている」(宮崎・来住誠太郎さん)などの発言が続きました。
飼料・肥料、燃油・資材高騰対策、農家経営を守るために政府、自治体への要請も各地で行われています。「肥料高騰対策を県に要望し、国の補助に15%上乗せすることになった」(福岡・藤嶋嘉子さん)、「県への要請後、県庁前で軽トラ3台で宣伝を行い、地元メディアにも取り上げられるなど注目された。その後知事が畜産飼料高騰対策に追加支援を表明した」(島根・田食道弘さん)、「県への要請に加えて、地元市町村への肥料高騰対策の請願が趣旨採択された」(愛知・原田愛子さん)などの成果も生まれています。
山形・梶昇司さんは「原油価格・物価高騰に対する県独自の支援金を活用したいと会員から要望があり、対象になる農家が多いのがわかった。ニュースで活用を呼びかけている」と、農家の要望に応える農民連の役割の重要性を述べました。
市民・消費者と手を携えて交流
農業・食料危機を市民、消費者とともに打開する課題も各地でさまざまな実践が行われています。「学校給食の無償化・有機化をめざす全県連絡会議を設立した」(埼玉・立石昌義さん)、「食と農を守るために『食の安全を守る人々』の上映会を準備している」(富山・水越久男さん)、「直売所1周年記念で食と農の未来を考えるイベントを開き、講演会、トークセッション、マルシェを実施した」(奈良・森本吉秀さん)などの報告がありました。
新日本婦人の会との交流では、「『有機農産物が食べたい』という新婦人会員の要求に応えるよう生産者も増やしている」(栃木・國母克行さん)、「『心ときめく産直』を合言葉に新婦人との田植え交流会などに取り組んでいる。近隣の農家が『楽しそうなので参加したい』と加わるなど交流の輪が広がっている」(京都・安田政教さん)などの実践が紹介されました。
討論のまとめで藤原事務局長は「畜産危機突破、自治体の支援策を求める波状行動を展開しよう。すぐに役員会を開き、会員と読者拡大の目標を決め、仲間増やしに全力をあげよう」と訴えました。
日本共産党の田村貴昭衆院議員が来賓あいさつを行いました。
(新聞「農民」2022.10.17付)
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