旬の味
昨年から世界的にインフレが続いているが、その中でも特にダメージを受けているのが農家である。出費は増える一方なのに、収入には転嫁できない。ただでさえ少ない上澄みをすくうような経営になりがちな農家にとどめを刺すには十分すぎる現状だ▼先日和牛を市場に出したが、ひどいものだった。私のように牛を放牧して育てると、小さいうちはボリュームがどうしても不足する。大きくなるにつれてそのギャップは小さくなるのだが、買い手はそんなことは知ったことではないので、見事に安く買い叩かれた▼しかし、他の人も軒並み値下がりしていたので文句も言いづらい。このような状況が続けば、当然、離農は急加速する。農業の根幹である肥料や餌作りを海外に依存して生産力を高めてきたツケを私たちはこれから払っていかなくてはならない▼時代の過渡期にあると強く感じる昨今ではあるが、子どもたちにまっとうに生きていける環境を残してやりたい、その思いを胸にこの逆境を乗り越えていく所存だ。 (T)
(新聞「農民」2022.9.26付)
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[2022年9月]
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