「農民」記事データベース20220926-1522-08

岩手県農民連女性部

震災復興をたどるバスツアー

震災時、避難所になった
釜石のホテル「宝来館」訪問


防災の大切さ、個人での
防災の限界あらためて

 「震災から11年 復興をたどるツアー」のテーマで、岩手県農民連女性部は9月4日、2年ぶりのバスツアーを行いました。

 行先は釜石のホテル「宝来館」です。宝来館は東日本大震災の震災時に、地域の避難所として利用されたホテルで、女将(おかみ)の岩崎昭子さんの話を聞くのがメインテーマです。

 新聞「農民」に参加者募集のチラシを折り込んだり、部員の声掛けなどで女性16人、男性8人が参加しました。チラシを見た人、20代の女性、家族4人での参加や遠い県北からの参加者など、今までにないうれしいことでした。

 雨を心配しながら出発し、予定より早く「宝来館」に到着。海岸に出てみることに。

 ホテルの前には松林があり、松林を抜けて防波堤の階段を下ると、白い砂浜の根浜(ねはま)海岸が広がっています。海の向こうには大槌(おおつち)と宮古の半島が望め、心地良い風と美しい風景に、ため息がこぼれました。

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宝来館の前でおかみの岩崎昭子さん(中央のはっぴを着た女性)を囲んで

 夏には海水浴客が来る根浜海岸は、東日本大震災で半分の広さになっています。「子どものころ、よくここで泳いだよ」と言う参加者もいて、なんだかこちらも懐かしくなりました。

おかみさん
生きていることはありがたい

 昼食を「宝来館」でいただいた後は女将さんの話を聞きます。女将さん自身も津波にのまれながら一命を取り留め、「一度は亡くなったかもしれない命。まだ生きていることがすごくありがたかった」と話してくれました。

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おいしい昼食に舌鼓

 震災の話を聞くにつれて、防災の大切さ、個人で防ぐことには限界があり、国が防災予算を大幅に増やすことが重要だと思いました。また避難道は一つでは足りないということもわかりました。

 午後2時にホテルを出発。新鮮な海産物を買えるサンフィッシュ釜石でおみやげを買い、無事に帰路に就きました。

(岩手県農民連女性部 齊藤富喜子)

(新聞「農民」2022.9.26付)
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2022年9月

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