「農民」記事データベース20220926-1522-05

岩手・米内農民組合

インボイス制度学習会


小規模農家つぶしだ
何としても止めよう

 岩手県内では今年1月、農協が繁殖牛農家を対象に「インボイス制度が導入されます 免税事業者の方 経営実態に応じて課税事業者への移行もご検討下さい」というよびかけ文書を出しました。また、7月に入り、消費税課税事業者に、税務署がいっせいに「ぜひ登録申請を!」の文書を、登録申請書・アンケートとあわせて送付しています。さらに9月に農協主催で「インボイス登録がその場でできる説明会」が税務署員を講師に開催されることとなりました。

 これをうけて、畜産農家が多い盛岡市の米内(よない)農民組合は8月26日にインボイス制度の学習会を開きました。学習会には9人が参加。県連から岡田現三事務局長が「売り上げ1000万円以下の消費税免税農家も課税事業者にならなければ『牛を買わない』『消費税分安く買う』と言われかねない制度」と、制度のねらいを解説しました。

 参加した会員からは「小規模農家つぶしだ」「登録業者かどうかを肉牛市場で公開するとなれば、個人情報を守る権利が侵害される大問題」と怒りの声が次々に上がりました。

 今後にむけて「おれは今度の農協の説明会では登録しない」「こんな制度はつぶさなければ」「それでもどうしても必要なら、3月にまた対応の集まりをもとう」「肉牛市場が登録業者の情報を買い手側に公開するのかどうか、しっかり確認しよう」との意見が相次ぎました。

 米内農民組合の赤坂誠悦組合長は「やむをえず実務対応をしなければならないとしても、一応理解したうえで…という思いで学習会を開催した。が、みんなからの怒りの声を聞いて、やっぱり制度そのものを止めなければと思った」と語っています。

(新聞「農民」2022.9.26付)
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2022年9月

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