大雨被害
支援策を万全に
農民連 ふるさとネット
農水省に要請
8月3日から東北・北陸地方を中心に各地で大雨による農業被害が発生しています。農業被害額は8月29日段階で33道府県、600億円を超え、さらに増える見込みです。内閣府も激甚災害に指定する方向です。
農民連と農民連ふるさとネットワークは8月29日、被害調査の強化や農地、農道の復旧支援、収入保障、次期作支援などの緊急対策を求めて農水省に要請を行いました。
|
要請書を手渡す笹渡義夫副会長 |
農水省は農地、農業用施設の復旧については、「災害復旧事業が活用でき、激甚災害に指定されれば、自己負担1割まで軽減される」と回答しました。
水田活用直接支払交付金の対象作物が被災した場合も「理由書等の提出で交付対象となる」こと、播(は)種の準備中の被災でも同様の扱いとなることも明らかにしました。
激甚災害に指定されれば、各種制度資金の利子が5年間無利子になることも回答しました。
青森・南部農民組合の沖津正博さんからは、「十和田市など南部地方で根菜類の畑が浸水被害を受けているが、掘ってみないと被害が分からない。しかし、掘ってしまえば浸水被害の状況が分からなくなる。頼みの綱は収入保険ぐらいしかないが、入っていない農家も多い」と訴えました。
農水省は、「次期作への支援は発動を検討している。支援が出た場合は自治体の被災証明を出してもらうなどで対応できる」と回答。掘り出す前に浸水被害の状況を自治体に相談し、被害額を把握してもらうことが必要です。写真も有効です。
多くの農家から要望が上がっている収入保険の加入を白色申告者にも認めることについては、「日々の収支の記帳義務がある青色申告を要件とする」と従来の回答から一歩も出ませんでした。
農民連は「何年も要求してきて、『検討する』と言われたこともあったが全く変わっていない。災害の頻発に合わせた制度に改善を」と重ねて要求しました。
(新聞「農民」2022.9.12付)
|