農民の切実な要求実現へ
農民連が県に市町村に要請しよう
奈良
農業の現場の声反映し
県に要望書を提出
資材高騰、担い手育成… 県でも対策を
奈良県農民連は8月24日、奈良県食と農の振興部に「奈良県の農業生産と農家の経営を守る要望書」を提出し、要請を行いました。
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奈良県に切実な要望を伝える参加者ら(右側) |
奈良県からは、食と農の振興部の6つの課の担当者12人が出席。県連からは森本吉秀会長をはじめ組合員12人とコープ自然派奈良の代表の計13人が参加しました。
「要望書」は、「肥料・飼料価格高騰で打撃を受けている農家への支援」「自然災害やコロナ禍で苦境にたつ農家への支援」「農業の担い手づくりに関して県独自の支援策の拡充」「鳥獣害対策の強化」「地産地消の推進への支援策の拡充」等の29項目です。
奈良県農民連では7月中、「農業の現場の声をもっとリアルに市町村や県に届けよう」と、会員の多い市町村や学校給食の取り組みなどがある市町村などを中心に、10カ所以上の市町村を訪問し、懇談を重ねてきました。懇談にはその地域の農民連会員も参加し、意見を交換。9ページに及ぶ県への要望書には、これらの市町村訪問で出された現場の要望が反映されています。
県要請では、「肥料の高騰のため、おそらく品質は少し劣るが低価格の肥料を農協以外の肥料屋から購入して何とかしのいでいる状態」「奈良は観光資産が沢山ある。しかし、観光地の寺社仏閣の近辺で耕作放棄地が散見される状態で、観光資産の価値も下がるのでは?」「耕作放棄地をこれ以上増やさないように取り組んでいるが、一農家では限界がある。農業のインターンシップなど、就農に興味を持ってもらう制度や仕組みを拡充できないだろうか」などの意見が出されました。
さらに、「県下の米農家のほとんどが赤字であることは、周知の事実。これまでの補助金の分配だけでなく、持続可能な農業への県独自の政策を真剣に検討してほしい」「食の安心安全に関心の高い消費者(女性・主婦)が農家と協力して農産物を栽培している事例が出てきている中、新規就農の概念を根本的に見直し、農業の奈良県モデルを構築してゆく政策が必要ではないか」などの発言もありました。
当日その場で得られなかった回答は、後日、書面で回答することを確認しました。
(奈良県農民連 深川邦清)
福井
県に緊急要請
離農せぬよう支援を!
大雨被害 米危機打開
福井県農民連は8月23日、杉本達治知事に対し、豪雨災害と米危機打開策についての緊急要請を行いました。
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県に要請する福井県農民連(左側) |
要望では、県の農業政策で、食料を増産し、食料自給率を向上させるための緊急支援策を実施するとともに、集中豪雨で被災した農家への緊急支援策の実施を強く求めました。
さらに、(1)再生産を保障する生産者米価となるよう、米の価格と需給に責任をもつ米政策に転換するよう国に求めるとともに県独自の米価格補てん制度を創設する、(2)燃油、肥料、飼料、農業資材の高騰対策として、県独自の農家への緊急直接支援策を講じる、(3)県全体の農地を対象にした実効ある耕作放棄地対策、請負耕作対策が求められており、その確実な実施策を求める――ことなど、具体的事項について申し入れました。
福井県では8月上旬に降り続いた大雨により、県内各地で田畑の冠水や土砂の流入などの被害が相次いでおり、折からの肥料や燃油などの資材高騰で経営難に直面していた農家に、さらに大きな打撃となっています。参加者は要請で、「地域ではすでに離農が深刻な状況だ。資材高騰や災害でさらに離農者が出ないよう、支援を強めてほしい」と訴えました。
要請行動には、県連の役員6人が参加するとともに、日本共産党の佐藤正雄県議会議員も同席しました。
なお、この要請内容について地元の「日刊県民福井」が報道しました。
(福井県農民連会長 玉村正夫)
(新聞「農民」2022.9.12付)
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