「農民」記事データベース20220905-1519-15

地域おこしのソバが冠水被害

被害ソバ畑に水田用交付金支払いを

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秋田県北 4回も冠水した地域も
笹渡副会長が能代へ調査

 8月3日から記録的大雨が繰り返し降り続いた秋田県。県北地方を中心に農作物、農地、農業施設に甚大な被害が発生しています。

 特に秋田県北部から日本海に注ぐ一級河川の米代川流域では、あふれた水で道路や水田が冠水し、水が引いた直後に再び降り出して「4回も冠水した」地域もあり、土砂流入や水路の破損など、被害は甚大です。

 20日に小林秀彦秋田県連委員長と農民連本部の笹渡義夫副会長は、能代市鶴形地区の被害調査を実施しました。

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県農政部長(右端)に要請書を手渡す小林委員長

 能代市では古くから転作ソバが栽培され、栽培面積は120ヘクタールに及びます。その内、約70ヘクタールは能代市の農民組合が中心になって運営している鶴形地区そば生産組合が担っています。加工・販売する会社も立ち上げ、広く販路が作られ、お母さんたちが始めた打ち立てのそばが食べられるそば屋さんも賑わっています。そばを軸に、農地維持、地域おこしの象徴的取り組みになっています。

 そのソバが、今回の大雨で危機的状況となっています。7月末に播(は)種したソバは、米代川沿いではいまだに水が引かず、ソバの跡形もなく、高台の転作田も一部、花をつけたソバがあるものの、水が引かないために根腐れが心配され、収穫は期待できない無残な状況です。

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まだ水のひかないソバ畑

 小林さんは、「鶴形地区だけで被害は15ヘクタール以上、他の地区を含めれば20ヘクタール近くに及ぶのではないか」「まだ播種できないほ場が10ヘクタール近くもある」といいます。

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無残に水にとけてしまったソバ

 能代市はネギも特産。水が引かないネギ畑で作業していた農家は、「2日晴れたと思ったら4日も降り続ける。こんな経験は初めて。ソバもダメだが、ネギもダメだ。どうしたらいいもんだか」。

 県農政部長に要請 「思いは全く同じ」

 翌21日、調査をもとに秋田県庁の佐藤幸盛農政部長を訪ね、被害実態の全面的な調査、政府への激甚災害指定の要請、従来の枠組みを超えた被害対策の実施を要請。特に、被害を受けた転作への水田活用直接交付金の支払いを強く要請しました。

 佐藤部長は、「思いは全く同じです」とし、県職員を派遣して調査を実施していることや、9月の補正予算で可能な対策を講じるとし、市町村に要望を聞いていると答弁。水活交付金についても「対象になる」とし、「未播種についてもどうするか、国とも協議して何とかならないかと思っている」と前向きの答弁を行いました。


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(新聞「農民」2022.9.5付)
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2022年9月

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